医療における口臭の実態

今回は、私が専門にしている、「口臭治療」について、少しご紹介しておきましょう。口臭治療に従事して、今年で15年、延べ3500人の方の口臭を嗅ぎ分けてきました。私たちが、社会生活をしていく上で、口臭と言うお悩みが、どの位、深刻なのか?簡単に知る方法があります。

 

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口臭、加齢臭、足の臭い、ワキガ、頭皮の臭いなどです。

 

口臭:75,612件

加齢臭:14,914件

足の臭い:5,294件

ワキガ:4,219件

頭皮の臭い:904件

 

ナント、口臭は、加齢臭の5倍、頭皮の臭いの80倍以上、悩みが深いのですね。

しかしながら、医療の現場では、患者さんがこんなに悩んでいる実態が、あまり解っていません。

 

何故でしょうか

 

一つには、現在の口臭と言う悩みが、保険医療体制の枠組みの中で、受け入れ態勢が十分に整っていないことに起因しています。歯科なのか、耳鼻科、内科、そして、心療内科なのか?どこが受け皿となって、お悩みの解決に従事したらよいのか、まだハッキリとしたガイドラインが整っていません。

 

これは、12年間で、3500人の口臭患者さんを通じて解ってきた知見なのですが、口臭の発生には、お口の中が原因に加えて、なかなか見えにくい所で、体質が深く関係しています。この「局所」と「全体」の両方を、「同時に」治療する必要があるのです。

一般的に、医療従事者は、保険医療体制の中で認められていない仕事には、あまり関心を寄せません。治療を施しても、「点数」が貰えないからです。現在、口臭治療は自由診療扱いで診療をしなければならない背景があります。

 

これからは、私自身の活動として、厚生労働省に陳情をして、口臭治療を何とか保険診療で算定してもらえるように、働きかけをしていきたいと考えています。