身近にある、食用になる生薬シリーズ

拙書「病気の9割を寄せつけない たった一つの習慣」では、顏色や舌で分かる「自分体質」の見方について解説しました。その中で、体質別の食養生についても言及しました。あまり知られてはいませんが、日常生活の中で、スーパーに売っているような食材の中にも、生薬に由来するものがあります。ここでは、そうした、誰でも知っている食品が、実は生薬にもなっている事について触れてみましょう。

 

①    款冬花(かんとうか)…フキノトウの花を乾燥したもの。天ぷらなどにして食べると、美味しく頂けます。漢方効能 肺のリンパ液を潤し、体液の損耗を補い、特にゼーゼーするような咳ではなく、コンコンした空咳を取り去ります。

 

② 栝楼仁(かろにん)は、ウリ科の特にカラスウリの種子を乾燥したもの。漢方効能は、乾いた肺を潤し、粘ついた痰を取り去り、便秘改善、皮膚の膿を排膿の効能があります。

 

③    艾葉(がいよう)は、別名:よもぎに相当します。漢方効能 冷えによる、浮腫を取り除き、身体全体を温めます。また、傷口に使うと、止血作用があります。ヨモギ団子など食用の他、入浴剤としても重用されます。

 

④ 大棗(たいそう)は、別名:ナツメに相当し、ドライフルーツにもあるプルーンです。胃腸機能を健常に保ち、鎮痙作用、鎮静・利尿の作用もある。その他、強壮,利尿薬としても作用し、筋肉の拘縮、疼緩和しる。また、咳、腹痛等にも応用する。

⑤ 山薬(さんやく)は、別名:山芋に相当します。日本では、とろろ芋としても重用され、でんぷんやステロイド様物質を含み、滋養強壮、強精、健胃、胃痛、胃潰瘍、食欲不振、糖尿病予防など幅広く効果をあらわします。

 

 

まだまだ、食用になる漢方生薬があります。次回は、季節が少し熱くなった時の、身体をクールダウンする食材シリーズをお届けしていきましょう。