何故、漢方薬は科学的に効果を証明しづらいのか?

生薬2種類が合わさった時の「薬徴」について考察してみましょう。

突然ですが、漢方薬の最もシンプルな定義とは、何でしょうか?それは、「最低、2種類以上の生薬が合わさって構成される煎じ抽出液(またはエキス顆粒)」と解釈されます。1種類の場合は、例えそれが生薬性のものであっても、健康茶などに分類されます。(ハト麦茶、生姜湯など)

 

生薬は、それ自身の単体の効能・薬効も重要ですが、実は、2味の薬徴といって、生薬が2種類合わさると、1+1が、単純に2ではなく、実は、それ以上の3とか5の力を発揮するという性質があります。

 

つまり、科学的に漢方薬の効果を立証しようと考えた場合、生薬一つ一つの薬効を考慮に入れて、効能を考えるだけではなく、2つの成分が合わさった時に引き起こされる、より複雑な分子レベルの反応まで考慮する必要があると言う事です。例えば、生姜(しょうきょう)は、ショウガの事で、胃腸の調子を健常にして、身体を温める薬効があります。一方、大棗(たいそう)は、果物のプルーンの事で、肺を潤し、便通を整える効能があります。この二つは、色々な漢方薬にワンペアで用いられる事が多いのですが、二つが合わさった時に、どうやら、1+1が、より高度に作用しあい、本来の薬効よりも、プラスアルファの部分が出ているようなのです。

これは、とても興味深いことで、いろいろな漢方薬の生薬構成を分解して眺めてみると、「なるほどなぁ…」と、感じる所があり、生薬には、特に相性の良いペアリングがある事が解ってきます。

 

これは、漢字の「へん」と「つくり」の関係に似ています。

 

一例をあげると、前述した「生姜とナツメ」、「シナモンと甘草」、「当帰と川芎」などです。しかも、漢方薬は、2種類で構成されている訳ではありません。殆どの漢方薬は、3~10種類以上が合わさって、一つの漢方薬を形成しています。

 

こうなると、とても、単味だけ調べて、効能を分析するだけでは解らない、計り知れない奥深さがあるのですね。

 

漢方薬は、人体の体質改善のための「調味料」でもあり、先人から授かった、健康を導くための「料理のレシピ」なのですね。

 

知れば知るほど、本当に奥が深いです。