実は、薬的に働く調味料

日頃、何げなく使っている、料理をおいしくするための「調味料」ですが、ここにも、食養生の観点から見ると、様々な効能が隠れています。一つ一つ考察してみたいと思います。

 

【塩】

これは、化学的に精製された塩ではなく、ミネラル成分の入った天然自然塩が良いと思います。私は鍼灸師の資格も有していますが、専門学校に通っている時に、学生実習をするのですが、一番気持ち良かった施術が、「へそ塩灸」です。古来より民間療法では、急に食あたりで嘔吐したり、下痢したお腹がシクシク痛い時に、即効性があるので、試してみると良いでしょう。やり方は簡単で、

 

 

1.竹筒とそれを完全に覆う様な「さらし布」を用意して、子供の頃にやった、「糸電話」のように竹筒をさらし布で覆って、輪ゴムでしっかり固定します。

2.竹筒の中に、ミネラル塩を厚みが1cm程度になるように、大さじ一杯程度、筒の中に注ぎ、平らにならします。

3.健康関連の薬局さんで売っている、お灸用のもぐさを購入して、ピラミッド状に塩の上に盛り上げます。ここで、フワッと盛れば、温度は優しく作用し、硬く作れば温度は上昇しますので、何回か試みて、程よい塩梅を探しましょう。

4.ピラミッド状に盛り上げたもぐさの頂点に、ライターで火をつけて、へその上に乗せます。

5.我慢できない温度になったら、竹筒を持ち上げて、もぐさだけを払って平らにならし、再度もぐさを載せて、同じ工程を数回繰り返します。私は自分の子供が小さい時に食あたりをして、下痢を繰り返した時に、この施術をしてすぐに改善した経験があります。大人がやっても、とても気持ちが良いので、お試しくださいませ。

 

【味噌】

味噌汁は「御御御付」と言うように、古来より日本人の食卓には欠かせない食品です。近年、疫学的な調査で、1日に味噌汁を多く摂取する人ほど。胃がんの発生が少ない傾向に有る事も指摘されています。大豆タンパクが発酵する事により、身体に有益なアミノ酸に分解する手助けをして消化吸収をしやすくする効能があります。この成分は解毒作用、乳酸菌群も含まれているので、腸内環境を整えるので便通にも良いです。作る過程で、あまり沸騰をさせると良くないので、ひと煮立ちする程度で良いでしょう。

 

【お醤油】

日本の伝統的な発酵調味料で、微細炎症を鎮静し、食品を解毒する作用があるとされる。また火を入れた時の独特の香ばしい香りは、日本人なら食欲増進に役立っています。確かに、含有する塩分量には注意が必要ですが、お酢や砂糖などを併用する事で、味に特徴を付ければ、薄味でも美味しくご飯が頂けます。さらに食品の保存性を高め、抗酸化作用、抗腫瘍作用、アレルギー症状の改善にも働きます。また含有する主な酵素は、でんぷんを分解する「アミラーゼ」、たんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、脂肪を分解する「リパーゼ」、グルコースを生成する「グルコアミラーゼ」、遊離アミノ酸を生成する「ペプチダーゼ」などが含まれており、食材の栄養素を、人体が活用できる「栄養分」に変化させます。非常にバランスの良い調味料です。

 

【お酢】

最も古い調味料のひとつで、基礎代謝を向上したり、疲労回復、ストレス解消、食欲増進、殺菌・抗菌作用もあり、各病原菌を抑えるので、食品の鮮度保持、食中毒予防につながります。注意が必要なのは、やや体を冷やす効能があるので、冷え性体質の方には過剰摂取は注意が必要です。加えて、胃粘膜に負担をかける事が多いので、お酢を中心としたジュースなどを直接飲むのは、胃弱の人には注意が必要です。