日本口臭学会の「認定医」に合格しました

以前のブログでお伝えした通り、口臭学会の認定医にチャレンジして、試験を受けてきました。試験問題は、判断が難しい内容もあり、回答を迷いましたが、何とか合格できました。認定医は学会に所属し、数年間の参加などの要件を満たして初めて申請可能となります。既に、条件は満たしていたのですが、申請に関しては呑気にしていました。

 

学会に参加すると、同じ志を持った先生が、日本中から集結するので、色々な情報交換になります。私は専門が、東洋医学、鍼灸、漢方処方が口臭治療のメインになっていますが、学会の中では、まだまだ少数派で、学会発表を通じて、漢方処方の重要性をアピールしています。

 

そして、今回の試験問題に、ナント、1問だけ口臭と漢方薬に関する問題が出題されていました。

「口臭予防には、葛根湯が有効である…云々」という内容でした。皆さんは、この問題…〇か×か?予想が付きますか?

 

実は、今月のブログに葛根湯の付記しておいたのも、この問題が頭に残っていたからでした。ツムラが提供している漢方処方の手帳を見てみると、その効果・効能の中には、「口臭」と言う病名は記載されていません。この観点から言えば、答えは、「×」でしょう。

 

しかし、よく考えてみると、葛根湯が合う身体の体質は、「風寒」、「寒邪犯肺」になります。前述したように、風邪のひき始め症状に良く効きます。しかしながら、普段から風邪をひいていなくても、この風寒体質を抱えている方は、臨床的には、結構多くお目にかかります。

 

ここで重要な事は、風寒体質を抱えている事で、臓腑が冷えていて、普段から薄くて白い舌コケが付きやすい方がいます。そして、この事により、口臭が発生する事も考えられるので、ツムラが示す、効果・効能の中に、口臭の適応が無くても、臨床的には「〇」であるとも考えられます。100%完全に「×」と断定できない限り、特に漢方処方の世界では、あながち明白に「×」とも言い切れないのではないか?と考え、やや深読みではありますが、私は「〇」の回答にしました。でも、恐らく、出題者の意図を汲み取ると、答えは「×」が、正解だと思います。

 

今度、口臭学会で、認定医担当の理事の方と話す機会が有ったら、あの漢方の問題の正解は、本当はどちらだったのか?聞いてみたいと思います。