日曜の朝の楽しみ方

普段、あまりお伝えする事の無い、私の日常について、今回はお伝えしてきましょう。日曜日の朝の秘密の過ごし方です。

 

NHK教育テレビは朝の10:30から「NHK杯将棋トーナメント」を放送しています。のんびり朝起きしてテレビをつけた時に、最初の内は何となく見ていましたが、ここ10年位、外出する時以外は、ほぼ視聴が習慣になっています。

 

最初にお伝えしておきますが、私は将棋については、コマの動かし方も含めて、全く解らない初心者です。また、あえて学ぶつもりもありません。対局中、解説者が番組中で説明する「穴熊戦法」の、どれが「熊」なのか?も解らないですし、「丸山ワクチン」なる戦法の何処に薬理効果があるのか、全く知る由もないです。

 

 

それでは、何を見ているのか?

 

そうです。拙書「病気の9割を寄せつけない たった一つの習慣」で、見ることの重要性を記述しましたが、実は、対局中の棋士の一挙手一投足を、ただひたすら「ミル」事を楽しみにしているのです。

 

まず、対局前の両者のインタビューする時の表情、物腰、声の力強さ、挙動、顔色、目の動きなどを見て、2名の棋士の内、どちらが勝つか?予想を立てます。例えば、人は誰でも交感神経が優位になって、緊張感が高まると瞳孔は散大し、唾液の分泌が滞るので、唇をなめたりします。これが、パフォーマンスを高めるための、良性の緊張ならOKなのですが、ビビった緊張だと本来の力が発揮できません。そして、大抵、この時点でネガティブな気持ちを抱えているな…と判断した方が、敗者になる事が多いですね。

 

実際の対極が始まると、一手ごとに戦況が変化します。画面上には対局者の顔の表情も、徐々に熱がこもってきます。上手く進んでいる時、先の手を読んでいる時、相手が攻め込んで来た時、勝敗が決した時…など、「ヨシ、これでいける!」「ドキッ、そう来たか!」「もうダメだ、投了しよう」など、棋士の中にも、そうした苦悶の表情を表に出す人と、ポーカーフェイスの人など、様々です。

 

そして、雌雄が決した時の両者の表情を見る時が、クライマックスです。歓喜、後悔、疲労、敗者への思いやりなど、1分間程度、何とも言えない静寂が流れます。勝者もガッツポーズなどはしませんし、敗者も言い訳などはしません。そして最後に、解説者と共に、勝敗の分かれ目などを語り合う、「感想戦」が始まります。この時になって、ようやく棋士の方の心理状態の一端を伺う事が出来ます。

 

そして、最初の私の勝敗の予想と照らし合わせて、見立てが正しかったのかどうか?検証する作業を、もう10年以上行っています。勝敗予想は、ほぼ8割程度の正解率です。将棋の駒の動かし方が解らなくても、「ミル」事に特化した男の勝負を堪能しています。この盤面で繰り広げる戦いは、試み合わせる「試合」などの生易しいものではなく、死と隣り合わせの、「死合」である事が本当に良く解ります。

 

戦う前から、勝負は決まっている…とも解釈できます。

 

期しくも、羽生善治名人が、将棋界7タイトル全てで、7期タイトルを得て「永世7冠」の称号を得ました。その記者会見の際、とても印象に残る金言を披露しました。

「将棋そのものを、本質的にどこまで分かっているのかと言われたら、まだまだよく何も分かっていないというのが実情です。」と、コメントしました。

人工知能のAIが台頭してきた昨今、羽生さんにして、まだ良く解っていない…と言う謙虚さ、私も漢方と東洋医学に関して、研鑽が足りないと思わせる、非常に示唆に富む受け答えだったと思います。