年越しそばと東洋医学

年越しそばの習慣が庶民に根付いたのは、諸説がありますが、一般的には江戸の後期と言われています。長いそばにあやかって、長寿を願うのが習わしで、年が改まる前に食べ終わるのが良いとされます。

 

ソバは一年草のタデ科の植物です。タデ科の植物は、イネ科と同様に穀物として世界中で重用されています。その中でもソバは栄養価が高く、特に蛋白質が多く、シスチンなど八種類の必須アミノ酸を含み、毛細血管を健常に保ちます。加えて、含有するルチンが血管壁を強固にして毛細血管からの出血を防ぎ、炎症の悪化や血管病変を予防します。また、認知症を予防するポリフェノールやコリンも含有します。その他、食物繊維は白米の2倍以上あり、便秘や解毒排出にも効果があります。

 

 

 

ソバの効能は、江戸時代に記述された、食品の効能をまとめた『本朝食鑑』には、以下のような記述があります。

「腸を寛げ能く腸胃のつかえをこなす。また水腫、泄痢(激しい下痢)、腹痛、上気を治す」

 

漢方でソバは、陰性食品に属するので、冷え症の人が、冷たいそばを食べるのは禁忌と考えています。逆に、身体の余分な熱や水分を抱え、水太り気味で、やや、火照り・のぼせのある人に有効と説いています。

 

また、ソバで有効なのは、「ソバ湯」の摂取です。これ水溶性のビタミンやルチンが、豊富に含まれており、冷えた胃袋を暖める効能もあり、積極的に頂きたい所です。ちなみに、ソバ湯はあっても、うどん湯は無いのは、うどんは、単純に小麦粉が主成分なので、その茹で汁は、単なる「小麦粉湯」なので、あまり有効成分が含有していない事に由来します。

 

!…と言う事は、以前ご紹介した、ジャブジャブ水滞体質型の口臭には、ソバを摂取する事は、口臭抑制に一定の効果が期待できると、私はにらんでいます。慢性疲労、関節痛、めまいなどを随伴する口臭の方には、是非、ソバを常用すると良いでしょう。