グリコの機能性食品「BIFIX」のビフィックスマガジンに記事が掲載されました

もう一つのメディア掲載は、グリコのBIFIXに「お通じが滞ると口がニオう!?『舌診』でわかるおなかの調子とケア方法」が掲載されました。

http://web.bifix.jp/article/2018/03/28/post_177.html

 

現在、グリコのビフィックスのサイトでは、『腸年齢』を知ろう!として、

腸内フローラ検査のモニターキャンペーンを実施しています。

この腸内フローラ検査は、同梱の採便キットを使い、便を採取して腸内フローラを調べることができる検査キットです。早速手に入れて、自分の便の状態を検証してみたいと思います。

後日、ブログで結果をご報告しますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【大便と口腔内…どっちが汚い?】

 

近年、腸内フローラと言う言葉が、メディアや広告でも散見できるようになりました。この「フローラ」とは、お花畑の事で、善玉菌・悪玉菌・日和見菌が、腸の中で勢力争いをしている様子が、花畑のように広がっている事から、その名が付きました。このバランスは、「小宇宙」のように複雑な生態系を形成し、それぞれの個体特有の常在菌を作り出します。このバランスが整っていると、健康の維持・増進に関与し、また、逆にバランスを崩すと、体調が悪くなることが指摘されています。

そして、腸だけではなく、口腔内にも常在菌が住み着いています。腸内と同様に、これを「口内フローラ(口腔内細菌叢)」と呼ばれるようになりました。

 

実は、健康な成人の大便1gあたり、300~500億個の細菌が含まれています。これに対し、成人の歯がある人は、唾液1ccの中に、約300~700種類の口腔内細菌が存在し、かなり良く磨いている人で、1000億~2000億個、殆ど磨かない人では、1兆個の細菌が存在していると言われています。 

 

 

単純な比較はできないですが、大便より口腔内の方が、汚れた環境である…と、考える事も出来ます。こうした菌は、身体にとって有用に作用している場合もあるので、一概には断定できませんが、菌が生育する環境として考えた場合、入口と出口では、何となく、入口の方が様々な環境にさらされる分、汚れやすいのかもしれませんね。

 

一般的に、口腔内の衛生状態が良い方は、善玉菌優位で成り立っています。しかし、磨き残しがあったり、食べカスが残っていたり、唾液量が少なくなると、口臭発生菌の温床となる歯垢が付着し、徐々に悪玉菌優位になります。その結果、歯周病や虫歯、口臭などが発生してきます。

 

実は、口内フローラのバランスの欠如は、口腔内にとどまりません。近年、口腔内の悪玉菌が、全身疾患の引き金になっている事が徐々に解明されてきました。例えば、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、認知症、慢性疲労症候群、早産、未熟児、肺炎などを誘引してしまう可能性が指摘されています。

 

特に悪玉菌は、増殖する過程で「菌体内毒素」や「菌体外毒素」を生み出します。これらの毒素が歯肉周囲から血管に入り込み、全身の血管や臓器に付着して炎症を引き起こしたり、毒素が集まる臓器に弊害をもたらします。

 

一例として、

 

悪玉菌が体内に入り、血管内で炎症を招くと、身体を守るために、免疫反応が起きます。こうなると、血管内では、悪玉菌と免疫細胞が戦った後に残る死骸が、そのまま血管の中に溜まって、粥状血管腫(プラーク)という節くれのコブが、血管の内壁に徐々に生育します。

そして、このプラークがはがれ落ちて、血栓(血液の塊)として、全身の血管に行き渡り、到達した先で、太い動脈がつまると脳卒中や心筋梗塞を招いてしまうのです。

 

また、一方で悪玉菌は、血糖値を調節するホルモンであるインスリンの働きを阻害します。この事が、糖尿病のリスクをより高める事になり、複合的に脳卒中や心筋梗塞を、より悪化する原因に成ってしまいます。

 

加えて、妊娠中の女性の場合、悪玉菌が作る毒素として、プロスタグランジンがあります。この物質は、陣痛促進剤にも用いられており、子宮を収縮傾向に導きます。この事で、早産や未熟児になる割合が増加する事が指摘されています。

 

その他、認知症で亡くなった人の脳から、悪玉菌が発見されたと言うレポートもあります。

また、悪玉菌は病原性細菌も同時に活性化するので、風邪、肺炎、インフルエンザの感染症にもかかりやすくなります。

実は、あまり知られていませんが、身体の中で、細菌類が感染するのは、口と腸が殆どです。そして、その腸内細菌は、ヒトでは約3万種類、100兆~1000兆個が生息し、なんと、1.5kg-2kgの重量になります。このヒトの身体か構成する細胞の数よりも多い、圧倒的多数の免疫細胞に守られている腸は、悪玉菌に対して免疫力を発揮しますが、口腔内は腸に比べると何とも無防備です。一度、口腔内で悪玉菌が増殖すると、すぐに感染してしまいます。

 

ここが、口腔内の環境と、腸内の菌の活動において、決定的な違いになってきます。しかしながら、一方で「治療」と言う視点で見直してみると、腸内よりも口腔内の方が、手出しがしやすい一面もあります。

 

 

普段から口腔内の清掃に努め、定期的に歯科医院で、歯の汚れを除去し、正しい歯ブラシの仕方を会得する事が、最終的には、全身疾患を悪化する事への予防につながる事を、改めて歯科医師として、皆様に伝えておきたいポイントです。