サンケイスポーツの「Dr.サンスポ」に記事が掲載されました

5月25日にサンケイスポーツのコラム記事、「Dr.サンスポ」にスマホ型口臭が掲載されました。この中で、私が監修してまとめた、「口臭チェックリスト」の項目が記載されています。今回は、この部分を、もう少し掘り下げてみましょう。

◆生活習慣による口臭リスクチェック◆

□ 1.スマートフォンを1日2時間以上操作している

□ 2.ストレスや緊張を感じやすい方だ

□ 3.人と会話する機会が少ない

□ 4.口の渇きやねばつきをしばしば感じる

□ 5.ダイエットのために食事制限をしている

□ 6.食べるのが早いとよくいわれる

□ 7.朝食はあまり食べない

□ 8.便秘や下痢をしがちだ(お腹の調子がよくない)

□ 9.野菜はあまり好きではない(食物繊維が不足気味だと思う)

□ 10.コーヒーやエナジードリンクを1日に複数回飲む

 

※チェック項目が▽0~1個:口臭リスク小 口腔内を清潔に保ち、今の状態を維持しましょう▽2~4個:口臭リスク中 体調を崩したときに口臭が発生するかも。毎日のケアを徹底することが大切です▽5個以上:口臭リスク大 生活習慣の見直しが口臭予防のカギ。歯周病予防と毎日のケアも怠らないように

 

と言う内容です。

(あぁ、またこれね…と言うよりは、もう少し視点を変えて、今まで、あまり聞いた事がない項目を優先して作ってみました)

 

●1~4項目までは、交感神経の過緊張により、唾液の分泌が減少し、口臭発生菌の方が優位になって、口臭発生のリスクを上昇させます。これは、主に硫化水素の臭気が高値を示す事が多いです。(右図参照)

 

●5~8項目目の、ダイエット型口臭や下痢・便秘に関しては、腸内細菌叢の善玉と悪玉の腸内フローラのバランスと関係してくるので、ジメチルサルファイド高値を示すようになります。特に、ダイエットの際に、殆ど何も食べない、食事制限だけの減量をすると、それでも人体は生命活動を維持する為に、自分の脂肪を分解する事で、栄養補給しようとします。その際、血液中に脂肪酸が溶け出し、「天ぷら油臭」が、口臭に出てきます。注意が必要な事として、この臭気は、汗などから体臭としても出しまう所です。この状態を通り過ぎると、最終的には、「ケトン臭」まで進行してしまうので注意が必要です。(右図参照)

 

●9~10項目に該当する方は、慢性胃炎、逆流性食道炎からの臭気を伴う可能性が高いので、硫化水と共に、メチルメルカプタンも高値を示すようになります。歯科医院における口臭治療と並行して、内科領域との連携も必要になる事が多いです。(右図参照)

 

ひとくちに口臭と言っても、原因によって、出てくる臭気物質も異なってきます。そして、実際の臨床では、その臭いマッチした治療計画を、オーダーメイド感覚で立案する事が求められます。→ここが、お悩みの解決の「カギ」になります。

 

今回の記事にも掲載されていますが、「スマホ型口臭」と「真正口臭」との鑑別点は、やはり客観的な測定値に現れます。改めて両者を比較してみましょう。(左:スマホ、右:真正)

両者の鑑別点は、硫化水素の測定値が、スマホ「334」に対し。真正「1224」と、4倍弱の開きが有ります。スマホ型口臭は、短時間で元に戻りますが、真正口臭は、除菌療法などの専門の治療をしないと、なかなか安全圏まで引き下がりません。

 

自分にどの位の口臭が発生しているか?は、専用の測定器で検査をすれば、おおよその原因がわかります。当院では、「無料測定」を実施していますので、心配な方は一度、測定する事をお勧めします。