「女性自身」に記事が掲載されたことを受けて、当院の治療プログラムを、3年ぶりにマイナーチェンジしました。

2018年7月31日に、女性週刊誌「女性自身」に、スマホ型口臭の記事が掲載されました。以前のブログでもご紹介した通り、長時間のスマホは、口腔内環境を悪化させ、唾液の分泌量低下、口臭発生菌の増殖などを誘引として、口臭が出やすい口腔内環境に傾きます。

 

下図の測定結果でも解る様に、連続して1時間程度スマホを連続使用すると、確かに口臭レベルの上昇を招くようです。測定値が、硫化水素「300」を超えているので、肩が触れ合う位の距離感で、臭気が届くレベルです。

スマホのやり過ぎは、だ液の量を減らし、口臭発生菌の活動を優位に導きます。最終的に口腔内環境を悪化させます。この事により、粘つき、渇き感、口臭の発生を招くのです。

 

今迄は、「舌苔菌」の除去と除菌の両方が、一度に出来る商材が市場に無かったので、道具を使った機械的歯面清掃に頼るしかなかったのですが、本年、「泡歯みがき」と言う新商品が市場に出てきたので、早速使ってみました。

 

その結果、下図で示すように、確かに使用直後に有意差をもって減少傾向が確認されたので、当院の「口臭対策プログラム」中に、新しく組み込む事にしました。当院としては、3年ぶりのマイナーチェンジです。

ただし、この減少傾向は一時的なものです、上図でも解る様に、2~3日するとリバウンド傾向が出てきます。ただ重要なのは、複数回の連用で、徐々に口臭発生菌の除菌が浸透し、その結果、口臭レベルの「戻り幅」が少なくなってくる事です。ここが、重要なポイントです。

 

当院では従来は、口臭を発生する舌苔に対して、「ポリリン酸配合のジェル」を用いていましたが、この場合ですと、キレート作用による舌苔の除去だけを目的としておりました。

 

一方、「泡歯磨き」は、除去と殺菌の両方が出来るので、より効果的です。この泡歯磨きには、以下のような効能が見込めます。

① 泡歯磨きの中に配合されている中で、洗浄成分として、イソデシルガラクトシド液が配合されており、汚れとともに「舌の上の菌」を洗い流します。抗炎症成分として、グリチルリチン酸ジカリウムが配合されており、歯周病(歯肉炎、歯周炎)を予防します。殺菌成分として、塩化セチルピリジニウムが配合され、口臭、歯肉炎を予防します。

② 本商材の最大の特徴が、ハンドソープのようにポンプ式で泡になった状態で出てくる事です。これを直接舌の上に絞り出し、クチュクチュと、お口全体に行き渡らせます。その後、歯ブラシを使って、通常の歯磨き同じように歯を磨き、水ですすぎます。あまり刺激が強くないミント系の香料が心地よいです。

③ 舌苔口臭に関しては、当院の場合、電動で作動する舌クリーナーを併用しています。こうする事で、特別なテクニックを用いなくても、舌苔がキレイに除去できます。舌クリーナーの先端に植毛されているブラシは、ほど良いコシの強さなので、舌の表面を傷つける事がありません。

これからも、新しくて良い物は、ドンドン臨床に取り入れていきます。

 

(注:メーカーさんは、本商材を用いた舌磨きを推奨していないみたいです。泡歯みがきを用いた舌磨きは、あくまでも、口臭を特に気にしている方向けの、歯科医院におけるオリジナルの使い方である事を、明記しておきたいと思います。)