スマホは、どのくらい時間使用するのが適切か?

このブログでは、スマホ障害の事について論じてきましたが、それでは、1日にどの位使用するのが適切か?について、考察しておきましょう。

 

【スティーブジョブズは、自分の子供にスクリーン・デバイスの使用を厳しく制限していた】

アップルの創始者、故スティーブジョブズ氏は、意外に思うかもしれませんが、実は、我が子へのスマホやタブレットの使用を認めていませんでした。

 

何となくジョブズ氏の家には、そこら中に最新のスクリーン・デバイスが設置してあり、ヘッドセットを装着して、自宅にいる時も多忙で、常に部下にカッコ良く指示を出しているイメージですが、実際には、そのような暮らしぶりではなく、絵本や書庫があり、自分で調べて学ぶことを、わが子のリード君に諭していました。

 

「少なくとも、14歳を超えるまでは、スクリーンデバイスを子供に持たせるべきではない」と言う持論をマスコミ向けにコメントしています。もし、使用を認める時には、30分以下にとどめるべきであると説いています。

何故、使用を制限したのか考察すると、2点ほど理由が考えられます。

 

1.故スティーブ・ジョブズ氏は、オンライン状態のモバイル用端末は、誤った使用により、人間関係において、炎上を起こす「諸刃の剣」と言う事を熟知していた為、子供への使用を認めないでいたのです。この事は、スマホを用いて、世界中の人と通信した事で、我が子つぶやきが、思わぬ所で世界を敵に回すことも考えられたので、自分の子供を守るために使用を制限したのでしょう。

 

2.もうひとつは、あまりにも便利な道具が、我が子の創造性・独自性を奪ってしまう事を危惧したのだと思います。革新的なデバイスを創造してきた同氏は、「何も存在しない…ゼロの時代」から、たぐいまれなるイノベーションを駆使して、新しい製品を作り出しました。この事は、現時点で存在しないものに対し、世の中を変える位すごい物を…「生み出したい」と言う欲求があるからこそ、スマホもタブレットもこの世に出る事が出来ました。もし、仮にスマホにだけ依存していたら、スマホを超える「超発想」が出る事は無くなってしまう…と、考えたのだと思います。

 

ジョブズ氏いわく

「何も与えない」事は、残酷なことではない。と、述べています。

 

実は、この30分と言う時間は、くしくも、私が実験的な研究で、スマホを連続使用して、経時的に口臭の発生を検証した実験で、口臭が出始める時間とピッタリ符号してきます。

 

恐らく、こうした機序が働いていると思われます。

 

1.スマホの画面を注視すると、脳が興奮状態に傾き、交感神経が優位に傾きます。交感神経はストレス神経とも言われており、瞬時に、瞳孔の散大、発汗、血圧上昇と同時に、唾液の分泌量が減少します。ここまでの反応は、1~3分の間に完了します。

 

2.唾液量の分泌が滞ると、唾液の中に含まれる保湿成分のムチンが減少し、口臭発生菌が優位に傾きます。ここまでの過程で5~10分を要します。

 

3.口臭発生菌は、増殖する時に代謝産物を生成します。代謝産物の中には、酸性物資(これが虫歯の誘因になります)、ネバネバ物質、臭気物質などが含まれます。ここまでの工程が、おおよそ30分です。

 

4.特に、口臭発生菌は、「嫌気性菌」に分類される事から、スマホの継続使用で、咀嚼筋、舌、口腔粘膜が全く動かなくなると、口腔内が外気に触れなくなり、嫌気性菌にとっては、増殖しやすい環境に傾きます。こうなると、一気に増殖にスパートがかかり、「スマホ口臭」が発生してくるのです。

 

やはり、スマホの30分以上の継続使用は、身体の至る所に思わぬ変化をもたらしている可能性があります。医学的な見地からも、30分程度が好ましいと思います。

 

さて、こうした経験を経て、実の息子のリード君は、その後、どの様な道を歩んだのでしょう?彼は、ジョブズ2世として、アップルに収まる事を拒否してきました。

 

リード君は、クリスタルスプリングアップランドスクール(Crystal Springs Uplands School)の高校を卒業して、世界中のトップ人材が集まるスタンフォード大学に進学しています。

 

そして、彼は医者になる道を志しました。メディアのインタビューで、「私達は結腸癌の新しい遺伝子を探求しています。これが解れば、すぐに結腸癌と診断が可能になるからです」と答えています。

加えて、将来の職業として“癌の学者になりたい、一人でも多くのがん患者を救っていきたい”とも語っています。

 

ご存知のように、父スティーブ・ジョブズは、2003年に膵臓癌が発覚し、2012年に他界しました。この事が、リード君が医学の道を歩ませたキッカケになった事は、容易に想像がつきます。

 

現在、アップルウォッチなどのウェアラブル端末は、その有効な使い方として、デバイスと健康とのマッチングを模索しています。もしかしたら、医者になったリード君は、やはり、アップルに戻ってきて、健康に関する「革新的なデバイス」を共同で開発し、いつものステージに、ジーパンと丸首シャツを着て登壇し、世界中にプレゼンする時が来るかもしれません。

 

それこそが、ジョブズ氏が、最も望んでいた、子供の成長なのだと思います。