以前公開された
『いい香りだったはずなのに…、コーヒーを飲んだ後、なぜ口臭が発生するのか?』に引き続き、その記事が、好評だったことを受けて、続編と言う形で掲載されました。
前回と同じライターさんからコンタクトがあり取材要請を受けました。
今回のブログは、掲載記事の内容の解説ではなくて、こうした、メディア取材を受けた際のエチケットとして、実は、上手く付き合う為の…チョットしたコツがあります。
私が今までの経験上学んできた、メディアとの付き合い方「マル秘メソッド」をご紹介してみましょう。
● 事前にどんな事を取材したいのか?ライター(アシスタント・ディレクター)さんに伺いを立てておく
何の目的で取材を受けるのか?事前に知っておくと、対応が容易になり、実りの多いミーティングになります。メディアの取材を受ける時は、コレ結構、重要です。事前にメールなどを使って、取材内容を把握しておくと良いでしょう。また、撮影機材なども搬入する場合に備えて、駐車場の有無なども伝えておくと、先方は喜びます。
● 何を見て…問い合わせをしたのか?を、さりげなーく聞き出す
取材を受け付けた時に、何を見て・何処を調べて…当院に問い合わせをしてきたか?を、聞いておくのは死ぬほど重要です。例えば、電通や博報堂は、膨大なデータベースを持っており、自分が調べたい題材のキーワードを入力すれば、それに関連した過去の記事が、ズラズラ出てくる仕組みになっています。殆どのメディアは、こうしたツールを活用して取材先を調べていると思います。または、直近に掲載された、雑誌・WEB記事を見て、興味を持ってもらったのかもしれません。何処から紐づいてきたのか…が解れば、その部分への露出を多くすれば、メディアから「目に留まりやすい」状況を再現できるからです。
● 聞かれたことは…5秒以内に即答する
ライターさんは、「この人、本当に喋れる(書ける)のか?」を見ています。聞かれた事は、5秒以内に、瞬間的に…相手が「オウッ」と、身を乗り出すくらいのキャッチーな回答をすると、話がドンドン先に進んで行きます。
メディアとの対応は、テニスのラリーに似ています。お互いが気持ち良く、ポンポンと打ち合いが出来ると、阿吽の呼吸で、面白い記事が…突然、出来上がったりしていきます。
私は、以前、出版コンサルの6か月コースを受講した際に、このプレゼン能力を、徹底的に鍛えられました。これは、現在でもテレビ出演した時に生かされています。
「先生…○○について、どうなんですか?」と、台本に無い質問を振られた時に、政治家さんのように「ア~、ウ~」などと受け答えしようものなら、私のパートは、どんどん編集で削られてしまい、出番は少なくなってしまいます。
また、医院で行う雑誌、WEB記事用の取材も同様です。時には、ライターさん・研究室室長・マーケティング担当者・WEB作製担当者の方が一同に会し、3~5人の方の視線が、私に注がれて、機関銃のように矢継ぎ早に質問を浴びせてくる時もあります。
まるで、「国会の証人喚問」のようです。
それらの全てに対し、瞬間的に面白い答えを用意するのは、結構ハードです。取材を終え、皆さんが帰路についた後は、本当にヘトヘトになります。去年の暮は、毎週のように取材が入っていたので、脳みそフル回転状態でした。
メディアからの質問に対して答える時に、一般的には、「そうですねぇ…」から受け答えを始める方がいます。特に、スポーツ選手のインタビューなどで多いような気がします。
メディアの食いつきが良い、最初のキーワードがあります。それは…。
「実は、○○なのです。」と言うように、「そうですね。」と言う頭の発想から、「実は」から話の内容を切り出すように思考回路を切り替えると、キャッチ―な受け答えが出来るようになります。お試しくださいませ。
● 相手の予定に出来るだけ合わせてあげる
メディア対応は、予定との勝負になります。例えば、アシスタント・ディレクターさんが、上司のディレクターの指示で「明日の午後、医院にお邪魔しても良いですか?」なんて言う要請も突然入る事があります。そんな時でも、困った態度は出さずに「問題ないですよ。お気をつけてお越しください…」と言う感じで、先方の都合に合わせなければなりません。メディアさんは、常にドタキャンとケツカッチンの連続である事を、心得ておく必要がります。
● 提出する書類の期日は、キッチリ守る
取材を受けた後は、特に雑誌、WEB記事の場合は、掲載する為の文章を用意する必要があります。殆どの場合、「1~3日以内で、何とかお願いします!」なんて言う要望が出てきます。そんな時でも、気持ち良く仕上げていく必要があります。
提出期限をキッチリ守る事は、死ぬほど重要です。
ここをシッカリこなすと、先方も安心してもらえるので、次回への布石になり、もう一度、取材要請が舞い込むなんて事も、結構な割合でおきます。ただ、最近は過去に提出した文書のストックが、かなり残っており「テンプレート化」しています。殆どの場合、それらの文書を見繕って、レイアウトを整えれば文書が完成するので、全くの「ゼロ」から作る事は稀になりました。
● お金の話は…絶対にしない
これも結構重要な約束事です。話を受けて、「幾ら頂けるんですか?」何て事を、最初に切り出すのはオシャレじゃありません。お金の話は、最後の最後まで、先方から切り出してくるまでは、話として触れない事が重要です。
もしかしたら、先方はココの部分で、取材対象の「品定め」をしているのかもしれません。
むしろ、「私なんかに白羽の矢を当てて頂き、感謝・感謝です。浅学非才ではありますが、お役に立てるよう頑張って行きます。一緒に良い番組(記事)になる様に、知恵を絞っていきましょう」と言う感じを先方に伝えると、好感度アップです。
● アシスタント・ディレクターさん程、優しく接する
特にテレビ取材の場合は、当面の窓口は、アシスタント・ディレクターさんになります。上司のディレクターさんから指示された内容を確認する為に、多い時には、1日に10回位、携帯に問い合わせをしてきます。そんな時でも、「またかよ…今度は、な~に?」なんて、横柄な態度を取るのは禁物です。アシスタント・ディレクターさんの仕事ぶりを見ていると、現代の若者も捨てたもんじゃない…と言う感じで、粉骨砕身、ヘトヘトになりながら仕事をしています。
何故、アシスタント・ディレクターさんに優しくする事が重要なのか?
ある時、出待ちをしている時の雑談で、こんな事を聞いた事があります。
私「アシスタント・ディレクターさんは、何年位修行して、ディレクターに昇格するんですか?」と、聞いた所、
ADさん曰く、「100人いたら、ディレクターになれる人は、10人以下ですね。後は、2~3年で辞めていきます。その中でも、早い方は3~5年前後で、一本立ちして行きます。でも、ADをしながら、指示された事だけを粛々こなしている方が、その時は、大変ですが、実は、楽だったりします。なぜなら、一度、ディレクターに昇格したら、一本の番組を全て任せられます。そして、今度はプロデューサーとの付き合いが始まり、番組編成のコンプライアンスを学び、『視聴率』との戦いが始まるからです…」と、受け答えになりました。
オーケストラで言えば、指揮者になって全体を統括するよりも、一人の演奏者でいる方が楽だと言っているのです。
もしかしたら、私がお付き合いしたアシスタント・ディレクターさんも数年後には、ディレクターに昇格する時が来るかもしれません。そんな時に、頭の隅っこでも良いので、あの時の感じの良かった先生として、覚えてもらっていれば、もう一度、コンタクトを取ってみようかな?…という、オマケのご褒美が数年後にやって来るかもしれないのです。
以上が、私からお届けする、メディア対応の留意点になります。さて、今年は何件の取材が舞い込んでくれるかなぁ?