ツバメの赤ちゃんが…生まれました

 

前月のブログで、ツバメの新婚さんが、巣を作りました…とお伝えしましたが、5月初旬に、卵を産みました。

 

最初は、5個のように見えましたが、良く見ると、実は、6個でした。

 

そして、5月23日にコッソリ覗くと、めでたく4匹のヒナが生まれていました。

元気に、スクスクと育ってもらいたいですね。残り2個も近日中に生まれるでしょう。

 

子を持つ親鳥の親心として、

● 生まれた後の「殻」は、丁寧に巣の外から放り出され、駐車場の下に落ちていました。

● 巣の中の写真をよく見ると、モフモフした産毛の数が増えています。もしかしたら…これは、生まれたばかりのひ弱なひな鳥の皮膚が、巣の小枝にチクチク刺さるのを防ぐ為の行為なのかもしれません。また、産毛があれば、まだ肌寒い夜の気温も、暖が取れるので、ダブルの優しさの様な気がします。

 

こうした行為を、単なる「本能」を割り切ってしまうには、もったいないような気がします。

 

実は、『ツバメの巣』も漢方薬で用いられており、燕窩(えんか)と呼ばれています。ただ、実際には、アナツバメという種類で、主に東南アジアに生息している希少性の高いツバメの一種です。当院に来てくれた、初夏に訪れる日本のツバメの巣とは、全く異なる別種のものです。

 

それでは、漢方としてツバメの巣から、どのような薬膳効果が得られるのでしょうか。

 

【免疫力の向上】

ツバメの巣には、「シアル酸」が含有しています。

このシアル酸は、細胞間の連絡を正常化して、免疫力を高める効能があるとされています。

しかも多くの食品の中で、ツバメの巣に多く含まれており、ローヤルゼリーの200倍と言う報告もあります。

 

シアル酸の量(mg/100g)

ヒトの唾液:5、ローヤルゼリー:50、母乳:150、そして、ツバメの巣:10,000

 

シアル酸は、外敵として身体の中に入ってきたウイルスや菌と、強く結合します。この事によって、感染症などの病気を予防することができるのです。

昭和大学医学部の相良教授は、シアル酸には免疫力を向上する作用があると報告しています。

その機序は、以下に示すような流れを取ります。

1. 外敵をいち早く察知するには、細胞の表面にセンサーが必要になります。実は、年齢と共に、センサーの感度が鈍くなり、ウイルスや菌を察知する機能が低下します。

2. シアル酸を多く含むツバメの巣を摂取すると、細胞の先端に接着して「細胞アンテナ」を形成します。

3. 「細胞アンテナ」は、外敵に対して素早く反応して、退治する働きを鼓舞します。

 

実は、インフルエンザ薬の「タミフル」は、このシアル酸が原料として用いられています。

 

【美肌効果】

ツバメの巣は、美容成分の「EGF」が含まれています。これは、アミノ酸が53個集合したタンパク質で、「上皮成長因子」や「細胞再生因子」とも呼ばれます。

名称は「Epidermal Growth Factor」の略ですが、製品化する時には「ヒトオリゴペプチド-1」の形で表記されます。人の皮膚の奥深くに届く成分が存在し、美容成分として注目されています。

 

来月には、子供達も巣立っていくかもしれませんが、温かく見守っていきたいと考えています。