ツバメの親子について、二つの家族を観察してきました。
その中で、自然界の命の営みについて、最後に考察しておきたいと考えます。
【本能について】
今月のブログの技術編で、ツバメさんの巣作りの巧妙な作り方について考察しましたが、
「そもそも、誰にも教わっていないのに…何故、シッカリとした巣を作る事が出来るのでしょうか?」
「そんなの…本能でしょ」
と言うのは簡単です。
さまざまの動物に生まれながらに備わっている、生きる為の「本能」ですが、
それでは、ひとつの疑問が湧き上がってきます。
「ヒトに備わっている本能って…何なのだろう?」
誰にも教わらなくても、最初からできる事…。
一般的には、我々は、こんな風に解釈しています。
●睡眠欲
●食欲
●性欲
●後天的に、出世欲や物欲
でも、よくよく考えると、これらは、本能と言うよりは、「欲求」に近い感じを抱きます。
そして、例えば、性欲の欲求には、「理性」が働く事で、いきなり犯罪に至る事はありません。
あくまでも私見ですが、本能には、理性は働かないのではないでしょうか?
ココに作ったら、誰かに迷惑がかかるから、巣作りは考え直そう…と言う理性が働いて、ツバメが巣を作る事を断念した…なんて、聞いた事がありません。
子孫を作ると決めたら、本能に従い、断固として目的を達成するのです。
明確な本能を持ち合わせていない人類は、もしかしたら、もの凄く脆弱な生き物なのかもしれません。
もし、ジャングルに裸のまま放り出されたら、ヒトは、3日と生きていけないでしょう。
自然界で生きるための本能を持ち合わせていないので、知恵だけでは、命をつなぐ事が出来ないのです。
カミさんや、パワーディナーで会った國友さんや、従業員に、
「人間に備わっている本能って、何だろうねぇ?」と、聞いてみても、明確な回答が得られません。
その答えを…三日三晩、考えてみました。
すると、もしかしたら、これが人間の持つ本能なのかもしれない…と言うものが、ほのかに見えてきました。
前述した通り、ヒトはジャングルでは生きていけません。その為に、
「火を起こす事」
「刃物を作る事」
「意思疎通をする為の言語を編み出す事」で、
自らの生きる為のテリトリーを拡大して、自然界から離れ、自分たちの住みやすい生活圏として…「社会」を形成してきました。
これは、ヒトの中では無意識の行動だと思いますが、
自分たちが住みやすい環境を、自然界から離れた場所で作り上げる…これこそが、ヒトに備わった本能のような気がします。
そして、この環境整備には、資金が必要になってきます。
と言う事は……極論にはなってしまいますが、
「税金を払う事」
これが、ヒトに備わった、無意識の本能なのではないでしょうか?
何となく、税務署が、泣いて喜びそうなキャッチフレーズですが、毎年、毎年、所得から搾取されても、誰も文句を言わない事は、もしかしたら、
この払ったお金が、自然界から隔離して、ヒトが住みやすい社会を作る為の、巣作りの役に立っている…と言う「本能」が…頭の何処かに有るからこそ、来る日も来る日も、働いて納税しても、誰も文句を言わないのだと思います。
自分たちが住みやすい住環境を作る事が、ツバメと同じ、人類の頭の中に宿った、無意識の本能なのだと思います。
40年間、納税をしてきた身としては、ようやく、自分の中で「最終回答」が得られました。
ツバメから学ぶ事も非常に多かったです。