幸福物質…セロトニンとは?

 

平成30年における、日本の自殺者は約2万840人でした。ここ数年、緩やかに減少傾向を示しています。それでも、毎年、2万人以上の方が自死しています。原因は、過労死、不治の病を悲観したり、事業の失敗などが上げられますが、その事を誘発しているものとして、やはり、「うつ病」が大きく関係しています。

 

令和になって、国も本格的に対策に乗り出し、働き方改革、過重労働対策が打ち出されています。

 

そして、自殺に至る前の前段階として、わが国の「うつ病」で悩む患者さんは、3年毎に行う厚生労働省の動態調査によると、

昭和59年が11万人

平成5年に20万人を超えて、

平成14年には、55万人をこえて、

平成23年には、70万人になり、

平成26年には、117万人になり、とうとう100万人を突破してしまいました。

 

世界規模で見ると、WHOの発表では、3億人以上の罹患者が存在していると報告されています。

どうして、うつ病は増加傾向にあるのでしょうか?

実は、うつ病とは、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」が不足している状態で起こってきます。と言う事は、うつ病を根本的に治療する為には、脳内のセロトニン量を元に戻す必要があります。

 

しかしながら、人体に存在するセロトニンの量は、わずか10mg程度と言われています。

 

しかも、その90%が腸内(小腸の粘膜)に存在しています。そして、残りの約8%は、血小板中に存在し、脳内に存在するセロトニンは、わずか2%だけです。

 

実は、主にセロトニンは、腸で造られているのです。

 

脳内のセロトニンが不足して来ると、精神活動が不安的になり、気分が落ち込んで滅入ってきます。並行して、慢性疲労、集中力欠如、感情の起伏が激しくなるなどが起きてきます。

セロトニンの役目は、人間がヒトらしく、社会生活を送れるように、心身のバランスを「平穏」に保つために働いています。

 

それでは、セロトニンを増やすためには、どうすればいいのでしょうか?

 

実は、腸の神経細胞は、他の消化器官と連携して働く為に、「独自のネットワーク」を形成しています。これを「脳腸連関」などと称します。この働きにより、腸は他の臓器に向けて、直接司令を出す事で、全身は、色々な臓器で有益な変化をもたらしているのです。

 

いわば、腸は第二の脳と考えられています。

 

そして、腸の働きは、脳と同じように自律神経回路によって、神経細胞とその間を伝わる「神経伝達物質」によって情報のやり取りが行われているので、腸の働きは、全身の機能を統合管理するうえで、非常に重要な役割を担っているのです。

 

セロトニンを増やすには、まずは、食生活の改善です。

●セロトニンのベースとなる「トリプトファン」の摂取

●筋肉の動きを元気にさせる、ドーパミンのベースとなるフェニルアラニンを増やす為に、良質なたんぱく質を摂取する事をお勧めします。トリプトファンは、肉、魚、卵に多く含まれています。また、豆腐などの大豆製品類、豆類、バナナにも多く含有しています。

●肉は、牛もも肉、豚ヒレ肉、鶏のささみ

●魚は、サケ、マグロ、カツオの赤身、サンマもお勧めです。

 

そして、ここからが重要なのですが、実は、こうした食品からセロトニンを誘導するには、腸内細菌の存在が不可欠です。

特に、腸内細菌を元気にするには、ビタミンCやB6、葉酸が必要になってきます。

●ビタミンCは、緑黄色野菜、果物に多く含まれ、

●ビタミンB6は、玄米、小麦、大豆、ニンニク、バナナ、アボガドに含まれ、

●葉酸は、肉、貝類、チーズ、落花生、ソバに多く含まれています。

こうした食品をバランス良く摂取すると、腸内細菌の7割を占める日和見菌(ひよりみきん)が、善玉菌の方に性質を変えて行くので、悪玉菌が減少し、一気に腸内環境が良い方に傾き、セロトニンが増加してきます。この辺の菌バランスの仕組みは、口腔内の善玉・悪玉との関係性と似ているので、興味深い所が有りますね。

 

ただ、厄介な事に、腸で作られたセロトニンは、脳内へ補充される事は、極めて少ないのです。脳には、血液脳関門と言う「関所」が存在し、そこで、堰き止められるので、腸内で生成されたセロトニンが、脳内に運ばれる事は少ないです、その為に…、

 

脳内のセロトニンは、脳の中で作るしか手立てがないのです。

 

実は、鍼灸治療でもセロトニンが増加する事が、報告されています。私が鍼灸の専門学校に通っていた時に、鍼灸治療のエビデンス、作用機序の所で学んだ所では、明治鍼灸大学の矢野忠教授が、鍼灸治療とセロトニンの脳内分泌について、論文を書きました。

 

同様に、リラックス状態、瞑想状態などでも、脳内セロトニンは増加傾向に傾きます。最近私が始めた、百会穴のツボへのクリスタルチューニングなども、睡眠が深くなったり、イライラしなくなった事から、幸福物質のセロトニンが増えた事により、身体の変化が出てきたのかもしれません。

神様の啓示を受けた方や、UFOとコンタクト出来た方は、心の周波数を整い、精神のゲートが開いた時に、こうした存在との接触がなされた…と、報告しています。

私自身も、セルフ・チューニングにより幸福物質のセロトニンを増やして、心のゲートを開き、来年にかけて、ファーストコンタクトが成されたらいいな…と、真剣に考えています。