房事過多について

 

【重要】本ブログには、多少、性的な表現が含まれます。不快感を伴う方は、ここで退席してください。

 

東洋医学では、遊び人・Hのやり過ぎを「房事過多」(ぼうじかた)と言います。

 

そして、精力絶倫の事を「腎張」(じんばり)と称していました。

 

腎の働きが、バリバリ頑張っている訳です。東洋医学を志す者としては、ものすごくピッタリの表現なので、現代にも復活してもらいたい位、ドンピシャ・ワードです。アダルトビデオ男優ではなくて、「腎張師」と表現するのです。

 

誰でも知っている歴史上の偉人の中で、腎張名人と言えば、『小林一茶』の逸話が有名です。負けるな一茶ココにあり、ハエが手をする足をする…の一句が、有名です。小学校の教科書にも登場するので、聖人君子のような立派な人物を想像しますが、

 

実は、根っからの腎張でした。

 

一茶は、初婚が52歳のときに、28歳の女性と結婚しました。一茶が生きた時代の350年前は、日本人の平均寿命は、五十歳前後でしたから、如何に、一茶が腎張だったか伺えます。

 

なんと、一茶は、自分の房事を、克明に「ツイート」していたのです。その頻度たるや、現代に置き換えても、すさまじい位です。

 

一例をあげるならば、文化13年(1816年)、54歳の時の「腎張ツイート」では、

8月12日 夜3回

8月15日 昼夜3回

8月16日 昼夜3回

8月17日 夜3回

8月18日 夜3回

8月19日 昼夜3回

8月20日 昼夜3回

8月21日 昼夜4回

 

でした、房事過多は、生命エネルギーを消耗します。奥さんになった方は、隣村の菊さんという方で、一茶よりも24歳も年下でした。菊さんは房事過多が過ぎたのか、ほぼ10年後に、37歳の若さで亡くなってしまいます。

 

その後、一茶は、62歳のときに、今度は雪さんという女性と再婚しますが、僅か3カ月で離婚してしまいます。一茶の絶倫に耐えきれなかったと言われています。

 

 

【男女で異なる房事過多による、身体の影響】

 

●男性の場合

男は、東洋医学では、「腎」と言う働きが健常に働くと、「腎精」が満たされ、性欲が旺盛になります。逆に遊びすぎて房事過多になると、腎精が枯渇するので、「腎虚」と言う体質に傾きます。

 

1.舌に現れる変化

射精を繰り返すと、身体の中から潤い感が損耗を受けます。すると、成長発育、性欲に関係している…腎の機能が衰え、腎虚体質に傾きます。やがて、潤いが枯渇してくるので、全身に「渇き」の変化が出てくるようになります。そして、その変化は、真っ先に舌にひび割れた「裂紋」が出てきます。

 

ちょうど、舌がカラカラに乾いてきて「干しシイタケ」のようになる訳です。

 

2.随伴症状

この体質の鑑別点は、渇きと言うキーワードが体中に出てくるので、口渇、ドライアイ、便秘、乾燥肌、

膝腰痛、そして、乾いた雑巾のような口臭が出てきます。

 

3.養生法

腎の気を補う食材は、筆頭に挙げられるのは、何といっても、「山芋」です。

これは、生薬では「山薬」の事で、腎の気を補います。総じて、粘り気のある食材…

オクラ、なめこ、きくらげ、めかぶ、納豆なども性欲を補います。

 

 

●女性の場合

1.舌に現れる変化

女性がセックス過多になると、気血を損耗します。特に、「血」の補充が追い付かなくなると、女性特有の「血の道症」に体質が傾きます。すると、いわゆる、ドロドロ血体質になるので、全身の血流に滞りが生じるようになります。すると、毛細血管が沢山集まる、口腔内に変化が出てきます。最終的に舌の色が、「紫舌」になってきます。

 

ちょうど、長時間プールに入って、出た後に唇が紫色に変色している時と同じ感じです。

 

2.随伴症状

この体質の鑑別点は、ドロドロ血が全身に波及するので、目のクマ、爪の甘皮がどす黒く変色、

強くぶつけていないのに青あざが出やすい、生理の時にゼリー状の血塊が混ざる、シミ・ソバカスが増える、

生理不順、子宮内膜症などの婦人科系疾患になりやすい。そして、血生臭いような口臭が出てくる(金魚鉢臭)

 

3.養生法

血液をサラサラにする、にんにく、玉ねぎ、桃、らっきょう、さんま、いわしに加え、

新しい血液を生み出す、地鶏、牛レバー、いちご、にんじん、黒ごま、くこの実

などを食べると良いでしょう。

 

幸か不幸か、私の舌には「裂紋」は出ていません。何事も程々の塩梅がちょうど良い…と言う事でしょう。