地震のニオイがあるらしい

 

コロナ肺炎の終息が見えない昨今、気になるニュースが流されました。普段、口臭専門のクリニックを営んでいる関係から、世間に広がるニオイに関しては、特に興味を持っています。

 

「変なニオイが、あたりに充満している」

2020年、6月4日に、三浦半島を中心に横須賀市周辺で、異臭を訴える119番通報が、夜8時から2時間にわたり、150件以上の情報が寄せられました。

特に、ゴムが焦げたような臭気がする…という通報が多かったようです。中には、気分が悪くなり救急車を呼んだ方もいました。

その後、役所や消防署などが原因を調べましたが、ガス漏れ、火事、工場からの薬品漏れなどは確認されず、原因不明のまま調査は終了してしまいました。

 

先月のブログで、硫化水素性のガスは、人体にとって死に直結するくらい有害だ…と申し上げました。

https://www.nakajomotoo.com/nichijo-20200630-4/

もし、この異臭騒ぎが、火山活動や地震の前兆であった場合、「地震臭」の可能性もあるのではないでしょうか?

 

そんな訳で、ひとつの可能性として、今回の異臭騒ぎが、マグマの火山活動や、岩石の摩擦により、臭いが出てくるものかどうか?簡単な実験をしてみました。

(注…学問的なエビデンスは、全く考慮していません。知的好奇心から出た遊び半分の実験です)

 

【実験内容】

地面の中の地殻変動を想定し2つの試みてみました。

① 道端に転がっている岩石を、ダイヤモンドディスクで削岩し、そこから出てきた粉塵臭を採取して、口臭測定器で分析してみる

(※切削の時に用いた使用器具の先端は、使い捨てを使用し、患者さんの口腔内へ流用することはありません。その他の設備も、実験終了後、オートクレーブと医療用除菌スプレーで、滅菌・殺菌・消毒をしました)

② もう一つは、岩石をバーナー高温で熱し、そこから出てくる臭気を採取し、口臭測定器で分析してみる

 

この2点を検証してみました。

1つ目は、「摩擦臭」を、2つ目は、「熱化臭」を調べてみる訳です。

 

【摩擦臭】

歯科用切削器具で、岩石を削ります。細かい粉塵が舞い上がり、徐々に石が熱を持ち始めます。頃合いを見て、シリンジでガスを採取して、ガスクロマトグラフィー法の測定器にかけます。測定結果は、下図に示すように、特別、人の嗅覚で認知閾値を超える程の臭気成分は出てこなかったです。

 

【熱化臭】

次に、歯科用バーナーで、石を加熱します。おおよそ、1000℃以上まで温度は上がります。石は徐々に赤みを帯びてきます。すると、私の鼻でも解る位、焦げた臭気が立ち込めてきます。良き所で、石から臭気を採取して、同様に臭気判定をします。

その結果が、下図です。

 

硫化水素が160ppb出ているので、密閉した部屋の空間内で嗅ぐと、臭いがわかるレベルです。

やはり、石を焼いている時にも感じた、焦げた臭いが…「硫化水素」の成分として検出されました。岩石は熱を持つと、温泉臭のような硫黄臭が出てくるのです。

 

【考察】

こんな簡単な実験では、何も証明した事にはなりませんが、もし、地面深くで、プレート同士がぶつかり合い、応力の集中と、摩擦抵抗の増大により、エネルギーが蓄積し、それが集中している所に熱が溜まり、その臭いが、地面まで達し、横須賀周辺の異臭騒ぎにつながっていたとしたら、今回の異臭騒ぎは、見過ごせない事件だったと思います。

 

実際、1995年に起きた阪神・淡路大震災の場合にも、地震が発生する数か月前に、神戸市東部で、異臭騒ぎがありました。

 

そう言えば、天然の砥石の中には、「油石」(オイルストーン)と言うものがあります。

 

油石は、河川敷などの水際に転がっている、丸く黒い石です。研磨して擦ると、ピカピカの滑沢な面が出てきます。普通の石よりは油分が多い石です。

仮に、こうした岩石が地中に埋没して、歯ぎしりのようにせめぎ合いながら、硫化水素性の臭気を生み出しているとしたら…コロナに洪水、台風がやってくるシーズンに、大震災まで来てしまったら、日本終了になってしまわないか?今回の異臭騒ぎは、本当に心配な現象です。

 

【追記】

なんと、6月の異臭騒ぎに続き、7月17日に、横須賀周辺で、2回目の異臭が報告されました。今度は住民も注意を払っており、一様に「ガスのような臭い」が出ていたと証言しています。

 

もし、東海地震が起きたら、私が住む横浜も無傷ではいられません。南海トラフの連動地震が起きたら、震度6~7程度の地震が、関東・東海・大阪・四国エリアまで、一斉に起きてしまいます。専門家の予測だと、最大30m級の津波も発生するらしいです。

本当に何事もない事を願っています。