新型コロナ肺炎の影響は、医療の分野にも大きな影響を及ぼしています。保健所が行う子供向けの検診業務も、鶴見区歯科医師会に加入している先生が、当番制で分担して運営しています。1年間で、2回順番が回ってきます。
私は、ちょうど3月に自分の番だったのですが、コロナの影響で、検診事業そのものが中止になってしまいました。そして、半年ぶりに自分の番が回ってきたのですが、検診する時の様相は一変していました。
以前、私は子供を診る時に、ゴム手袋を、毎回取り換えるようにしていました。
それは、次の順番を控えるお母さんが、どんな事をうちの子供にされるんだろう?と、心配そうに、こちらを慎重にのぞき込んでいたからです。
ただ、後日、保健所から電話がかかってきて、「毎回、ゴム手袋を取り換えると、コストがかさむので、必要最小限にしてください」と、注文を付けられました。
歯科医師会を通じて、反論しようか?とも考えましたが、大人の対応をして引き下がりました。
所が、今回、歯科検診に出向いたら、保健所の担当職員さんは、検診業務のガイドラインを説明してくれて、以下のようにして下さい…と、案内されました。
1.手袋は、毎回、取り換えて下さい
2.歯科用ミラーは、使い捨てのものに切り替えました
3.子供の頭が触れる私の太ももの上には、毎回、紙シートを取り換えて、飛沫対策です
4.診査用具の上にも、飛沫防止のために、紙シートがかぶせています
5.感染、飛沫予防のために、保護バイザーをかぶってください
6.それ以外の消毒作業は、担当職員が毎回、清掃をしますので、準備が整ってから、次のお母さんを引き入れて下さい
などです。
感染に対して、非常に神経を使っている事が伺えます。この日は盛況で、80組くらいの親子が来場していました。2名の先生でこなしていくので、2時間くらい拘束されます。
それにしても、近年の3歳児検診は、お子様のお口の中に「虫歯」は、殆どゼロです。昭和初期のような、鼻垂れ小僧の味噌っ歯の子供などは皆無です。
まるで、お母さんが、「みてみて、私の子供の歯、キレイでしょ」と、子供自慢の品評会をしているようです。そんな訳で、日頃の歯ブラシの手入れを褒めてあげると、お母さんはすごく喜んでくれます。
恐らく、コロナ肺炎がひと段落しても、こうした感染対策は、ずっと続いていくんだ…と、思うに至りました。
私達の身の回りには、「潔癖症」と言われる方がいます。日常生活で、外出中にドアノブを触る時は、ハンカチを挟んで開閉したり、椅子に座るときは直接座らずに、ハンカチをお尻に敷いて座ったりします。時として、少し変人扱いをされてしまう方です。
でも、今となっては、潔癖症の人の方が…「正しかったんだ!」と言える社会になってしまいました。早くコロナが終息する事を願うばかりです。