本当のソーシャルディスタンスの崩壊…それは、半年前から始まった。

 

私は、スターバックスコーヒーが仕事場です。このブログの記述も、殆どスタバで行っています。木曜・日曜が休診日なので、開店の朝7時に出向いて、3時間ほど、メールチェックをしたり、ブログ原稿を書いたりして、ひと時を過ごします。

 

また、電気自動車乗りとしては、いつも行くスタバには、充電スポットが設置してあり、3時間充電で、約50km程の航続距離を充電できるので、好都合なのです。

普通充電なので、200V、15Aのパワーです。1時間3キロワットほどの電気を頂く事が出来ます。日中の電力だと、1Kwの電気代は、30円程度なので、実質、30×3Kw×3時間=270円ほどを無料で充電しています。

 

いつも、ドリップコーヒーショートサイズ、タンブラー持ち込みがお好みなので、アプリ決済で税込み297円です。先程のEV無料充電と相殺すれば、実質:30円ほどで、3時間にわたって家族に邪魔されずに仕事ができるのです。加えて、動画配信専用マシンとなった、今までのiPhoneと、新しく仲間になったアンドロイドスマホ、ノートパソコンの充電もコンセントからさせてもらっているので、

 

殆ど、0円に近い勘定で、スタバを利用させてもらっている訳です。

 

さて、本題はここからです。

実は、これだけの好条件をゲットするためには、朝の開店と同時に、「お目当ての席」を、確保しなければなりません。

 

いつも、開店の時に集まってくる方々は、面子が決まっています。なぜか、皆さん中年世代のオヤジ連中です。既に顔見知りですが、会話を交わしたり、会釈をしたりする事もなく、お互いの素性はわかりません。常に「大人の距離感」を保っています。

 

皆さん、自分の座る席が決まっているので、7時の開店と同時に、われ先と店の中に流れ込み、席取りゲームのように、自分のお目当ての席にカバンを置く必要もなく、ゆっくりと、静かに店内に入り、そっと、自分の席に腰掛けます。

 

そんな日常が、もう1年も続いています。

これぞ、「本物のソーシャルディスタンス」です。

 

ところがです!

 

この大人の席順争いのバランスを崩壊させるように、新たなオヤジが登場してきました。

スタバは、コロナの影響で、席の間隔を広げ、席数も大幅に減らして営業しています。本来であれば、私が座るべき席に、

 

「オレもこの席に座りたい」と言うライバルが出現したのです。

 

その他のオヤジ連中は、全く関係ありません。ワレ関せずです。私だけが、席順バトルを繰り広げる羽目に陥ってしまったのです。

自分の座りたい席をキープする為に、開店5分前に行って、扉の前に並びます。すると、ライバルは、さらに対抗するように10分前に来て、私の前に並びます。私も負けたくないので、さらに5分かぶせて、15分前に行って、一番をキープするようにします。

 

お互い、5分きざみの「早起きバトル」が、果てしなく続くのです。

 

ドンドン、ヒートアップしてしまい、最近では、開店30分前に行かないと、ダメな状況になってしまいました。

たまたま、ライバルオヤジが来なかったりすると、冬場だと、まだ真っ暗な闇の中を、私一人で、ポツンと寒空の中を、30分も待ちぼうけする事になります。

 

「なんだ、今日は来ないのか…」

「いったい、オレ、何やってんだろう…」

 

と思うに至りました。

そんなある日、このソーシャルディスタンスを崩壊させる事件がおきました。

 

ある2月下旬の日曜日に、いつものように開店30分前に行ったら、その日は、席順争いのバトルオヤジが、先着でいました。

 

「チェッ、今日は、ダメだったか、この次は、40分前に行って、絶対に勝ってやるぞ!」

と思いながら、二人のオヤジが、30分間、無言の距離感で、開店するまでの時間を過ごします。

 

私も大人なので、開店の扉が開いても、ライバルオヤジを出し抜いて、席を奪おうとはしません。席バトルの勝者には、いさぎよく席を譲ろうと考えていました。

 

ところがです。そこで…事件がおきました。

 

ナント、「アンタ、この席に座りたいんだろ…私はコッチでも良いので、どうぞ」

 

と言う天使の声掛けをしてもらったのです。さて、その後が大変です。頭の中の演算回路は、パニックを起こし、yes・noの回答を瞬時に出さなければいけない状況です。

 

●有り難く、受け入れるか?

●拒否するか?

 

冬場の30分の間、寒い思いをして並んでいたものですから、私の中からは、つい、

「えっ、いいんですか…それでは、お言葉に甘えて」という感じで、席を譲ってもらいました。

 

本物のソーシャルディスタンスの崩壊です。

相手からは、席順バトルの…「休戦協定」を申し出てきたのです。

私より少し年下のそのオヤジの方が、なんぼか大人の対応が出来る人物だった訳です。

 

その時は、ホッコリする気分でしたが、自宅に戻ってきてからは、何となくモヤモヤした感じが付きまといます。

 

この次の日曜日、もし、私が30分前に行って、その席順バトルオヤジが、開店近くにゆっくり来た場合、

 

私は、入店後、どの様な対応をしたらいいんだろう?

今度は、こっちから、「今日は、お宅がどうぞ」…と、席を譲らなければならないのか?

 

面倒くさい思考回路が、頭の中を駆け巡ります。

「これじゃ、バトルにならないじゃないかよ~」

「オレは、無言の戦いがしたいんだよ!」と、頭の中で呟いても答えは出てきません。

 

そんな思いを巡らせながら、次の日曜日がやってきました。

もうバトルが終了しているので、相手は30分も前に店に来ませんでした。

 

「あっ、やっぱり、そういう事なんだ」と思いながら、開店時間の7時が来る頃に、そいつは現れます。

 

店員さんが、扉を開けると、そのライバルは、私が声がけする間もなく、全然違う方の席へ、そそくさと離れていきました。

 

その後、私はいつものお目当ての席に座ります。

「朝早く、一番で並んだのだから、当然さ」と思いながら、

 

心の中では、「オレは、勝ったのだろうか?負けたのだろうか?」と複雑な思いを巡らせます。

「恐らく、敗者なのだろう」と、思うに至りました。

 

こういう付き合いをしたくないので、スタバに行くのに、そこで、思いもかけない人付き合いを強いられて、対人関係に慣れていない私は、それ以来、ずっとスッキリしない感覚です。

 

私の性格では、ずっと、バトルが継続する事を望んでいました。例え、開店1時間前に行く事だって、全く苦になりません。その方が、自分の性分にあっています。

 

今からでも良いので…とことん、席順バトルを再開しようぜ…。

 

カミさんに、この話をしたら、一言…「バカッ」と言われました。トホホ。