日本口臭学会にゆっくり霊夢と魔理沙を登場させた…後日談

 

6月20日に、第12回、日本口臭学会のオンデマンド配信が終わりました。一般公開をしても問題ないと判断し、後日談を備忘録として残しておこうと考えています。

 

以下の動画が、プレゼン内容です。パスワードは、「dent-joe」です。

 

 

とかく、東洋医学と漢方薬と言うと、仙人の様な先生が、秘伝の処方をするような、マニアックな得体のしれない印象を与えます。今回の学会では、その部分を出来るだけ分かりやすく解説したいので、ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙に語らせることを考えました。

 

実際にスライドを作ってみて分かったのですが、今までのプレゼンは、「私」と言う一人称で物を語っていました。その同じ思考を、魔理沙と霊夢に語らせるのです。

 

いわば、小説家や脚本家と同じように、魔理沙と霊夢と言う役者を配置する事で、自分の訴えたい内容を二人に説明させるのです。

この事は、自分の中では、ものすごく新鮮な取り組みでした。

「ボケ」「突っ込み」のシナリオを用意して、「自分の声ではなく」第三者(電子音)に物語の「オチ」を語らせるのです。

 

ただ、この俳優たちは、ヒトと違うので、すべて私の指示通りに、文句も言わずに動いてくれます。すると、1枚目のスライドから、自分でも不思議なくらいに、スルスルと、面白いアイディアが浮かんでくるのです。

 

「あれ?オレ、こんなにギャグ・センス、あったっけ?」

 

と言うくらい、「ネタ」が出てくるのです。この経験は、60年以上生きてきて、初めての不思議体験でした。

 

加えて、本当に伝えたい考察や結論の部分も、一人称ではなく、私の思考も含めて、三人称で考える事で、丁々発止の受け答えが出来るようになるのです。

霊夢に「唾液は、何から作られているか、考えてみたことある?」と言わせて

魔理沙に「えーと、ペットボトルの水分かしら」と受け答えさせて、

霊夢に「実は、唾液は血液から作られているの」と種明かしをして

魔理沙に「全然知らなかった」とオチを付けるのです。

 

何故、YouTubeなどの解説動画で、魔理沙と霊夢が、頻繁に利用されているのか?分かった気がしました。

 

自分の訴えたいことを…二人称(自分を含めれば3人称)で語らせる

 

この事が、こんなにもヒトの思考を解きほぐしていくものなんだ…と、実感しました。

 

所で、クローズドな形で、今回の学会で使った「甘露飲」を製造しているコタロー漢方にも、チラ見せしてみました。

外回りのプロパーさんから、研究開発部、広報、営業企画部など、社内限定でシェアされて見て下さったようです。私の方でも、管理画面で、再生回数が表示されます。その推移を見ていくと、

閲覧初日が、「2回」と表示され、日を追うごとに「5回」→「30回」と上昇していきました。

 

プロパーさんからは、以下の評価を頂戴しました。

部長さんクラスからは、「こういう時代なんだな、我が社の商材に、まさか、魔理沙と霊夢が登場するとは思わなかった」

「中城先生の柔らか思考に脱帽!」「コレ、どうやって作っているの?」

若い社員の方からは

「分かりやすくて、いいんじゃない」「こういう方が断然、好感が持てますよね」

 

と言う感じでした。

 

先月のブログでも触れましたが、ゆっくり魔理沙・ゆっくり霊夢が誕生するまでは、多くの方の手直しが介在していました。

 

 

 

●1次創作として、シューティングゲームに登場する原作オリジナルキャラの霧雨魔理沙

 

 

●2次創作として、2chから派生した、オリジナルをデフォルメしたアスキーアートになった魔理沙が存在し、

 

 

●3次創作として、2次元の絵を起こし、色を彩色したお饅頭の頭の魔理沙が存在するのです。

 

 

それぞれの魔理沙を生み出したクリエーターの皆さんは、まさか、自分の作ったキャラが、これだけ皆に愛され、ネット上に広がりを見るとは思っていなかったはずです。

最初から、全員が集まって会議をして、こうしたキャラを生み出そう!と、企画された訳ではないのです。昔から、人気のあるアニメは、サブカルチャーとして、「コミケ」なる集会があり、同人誌を披露する愛好家たちがいました。

 

昔から、著作権に関しては、寛容な下地がありました。

 

徐々に、ヒトの思考と言うフィルターによって改変を受け、その関数による最適解が、次々に変化して生み出され、現在のゆっくりキャラが創造され、それが、還暦オヤジの元に舞い降り、

とうとう、学会にまで登場するようになったのです。

 

例えば、以前のブログにも登場した、芸術家の岡本太郎さんは、企画・原案・創作・完成までを、一人で作り上げます。それはそれで、膨大な労力が払われ、一つの芸術作品が完成していきます。そして、その独自性ゆえに、死してなお、後世の人に、感銘を与える作品が出来上がっていきます。

ところが、ネットが広がりを見たことで、ひとりの人の思考から生み出された、芸術作品ではなくて、多くの方の「もっと、こうしたら面白くなるんじゃない?」と言う意識が入ったことで、全く別の作品に移行していく…そんな社会が構築されてしまったのです。

 

現在のゆっくりキャラが、また、別のクリエーターによって、どんなものに変貌していくか?

ゆっくり、見届けていきたいと考えています。

 

さらなる後日談、ゆっくり魔理沙とゆっくり霊夢には、すっかりお世話になってしまったので、スタバの仕事用に、二人のキャラが印刷された特性タンブラーを購入してしまいました。ただ、著作権フリーの中で、

 

「商用活用をする時だけは、一言、断ってね」

 

と言う但し書きがあるので、このタンブラーは、もしかしたら、「もぐり」の商品かもしれません。

いつも行く、スタバの女性従業員さんとは、顔見知りなので、

「あれ?タンブラー新しいものに交換したんですか?」と、聞かれたら、

「霊夢と魔理沙とは、ビジネス上の友達なんですよ」

と、答えて見ようと思っています。

さて、女性従業員さんが、どんなリアクションをするか?今から楽しみです。