先月、沖縄出張した際に、温室栽培されていたフルーツに目をやり、果物スキの私としては、見た事もないお姿だったので、
「あれは、何のフルーツですか?」と、ガイドさんに問い合わせた所、
「あぁ、パッションフルーツですね」
「でも、まだ収穫前ですよ。今は緑色ですが、もっと、濃い紫色になってきます」
と、お伺いしました。
何となくイメージとしたら、プルーン(生薬名:大棗)をイメージしていました。
横浜に帰ってきて、平穏な日常を過ごしていましたが、ある時、スーパーで、偶然、パッションフルーツを見つけてしまい。大蔵省であるカミさんに頼んで、1パック購入してみました。
「私は、食べないからね。全部あなたが食べるのよ!」と言う条件付きです。
60年以上生きてきて、初めての賞味です。
事前にネットで食べ方を調べておいたので、先端部を少しカットして、中身のタネを食べます。何となく見た目は、アケビのようです。外側のフワフワした皮の部分は食べられません。
食べてみると、タネの部分は、キウイのようなプチプチ感があり、その周りの寒天状の果肉の部分が、スッパ甘い感じで、何ともトロピカルな味わいです。
その後、パッションフルーツを色々調べてみましたが、やっぱりと言うか…生薬の性質もありました。
【パッションフルーツの由来】
そもそも、パッションフルーツの出自ですが、私は、南国の熱いイメージから、「情熱」の語源に由来する「パッション」なのだろうと漠然と考えていましたが、実際は全く異なりました。
実際のパッションは…、
イエスキリストが、十字架に貼り付けの刑に処された時のお姿を、「キリストの受難」と言います。この受難(Passion)の意味合いによる「パッション」なのです。
なぜ、受難を意味するのでしょうか?
それは、パッションフルーツの花に秘密があります。
パッションフルーツの花の形は独特なものがあります。
パッションフルーツは、別名:時計草とも言います。このオシベの部分が、時計の長針・短針に似ている事に由来します。
よく見ると「Yの字型」を示しています。
対して、サグラダファミリアに飾ってある、キリストの受難のオブジェです。
貼り付けにされている容姿は、やはりYの字をしています。
この形の相似性が、パッションフルーツの命名の由来になりました。
【時計草の薬効】
原産国である中南米では薬用として用いられます。
特にブラジルでは、果実の部分が鎮静,抗不安薬として用います。
またメキシコ、南米では、根の部分を煎じて、精神鎮静,駆虫薬として用います。
その他、全草の絞り汁はチンキ剤として、
煎じ抽出液は、過緊張からもたらされる不眠症、根の部分は利尿剤、葉の部分は催吐剤として用います。加えて、葉の部分は鼻炎、肺炎、抗菌薬として重用されています。
独特の酸味は、キュッと気持ちを引き締めます。
私も食べてみましたが、本当にストレス緩和に効果がある感じがしました。