中城歯科医院は、患者さんに色々な文書を、郵便でお届けするスタイルです。
その為に、さまざまな切手を使う必要があります。
A4サイズの定形外封筒で、重さが150g以上の郵送代は、現在、210円です。郵便料金が改正される前は、「205円」でした。
当時、ヤフオクの切手の出品で、少し安く205円切手をワンシート買ってあった物が残っている関係で、足りない5円分を埋め合わせなければなりません。
その他、定型サイズ封筒の82円が84円に値上げした時などの使い勝手の事も含めて、
どうしても、「1円切手」が、必要になってきます。
今月は、この1円切手のナゾについて解説してみようと思います。
【質感のナゾ】
切手を使う時は、ミシン目から切り取り、1枚ずつ剥がして使います。当然、その時に、切手を指先で、切手シートを触る事になります。
その時の、切手の表面性状が、明らかに他の高額切手と異なるのです。
切手の紙の厚さ、ザラザラ感、光沢感、糊の量など、さまざまな所が違うのです。これは、当院の技工士さんの指先でも確認を取ってもらったので、間違いない所です。
「何も、1円だからって、ここまで品質を下げなくても良いのに…」と、二人で話し合いました。
確かに、原価を考え粗利の事を考えたら、205円切手は、1円切手の、「205倍」です。仮に、郵便事業が民営化されて、1円切手からも、利益を出さなければならない背景があった場合、品質を下げてでも、効率化を目指す事は、決して間違っていない経営判断です。
ただ、1円切手の歴史は長く、発売されてから、既に70年以上も経過しています。当時から、このクオリティだったのか?ナゾが謎を呼び、少し調べてみました。
「1円切手 質感」「1円切手 クオリティ」などのキーワードで検索しても、ネット上では、全く情報が見当たりません。
それではと、「1円切手 謎」で調べた所、それらしい情報が出てきました。
切手の用紙ですが、最近の記念特殊切手や高額切手は上質のコート紙が用いられ、一般的な普通切手は、普通切手専用の短い繊維でできた、白色度の高いコート紙が用いられています。
コート紙は、表面性状を見てみれば、すぐ分かるように、ツヤツヤした光沢感がある厚みのある用紙で、指で触ってみても質感が良いです。現在流通している84円普通切手はコート紙です。これに対し、1円切手は、単なる普通紙で光沢もなく、厚みも薄く、手触りもザラザラしています。小学校の頃に手にした、わら半紙のような純白紙です。
この違いは、実は、印刷の手法の違いにあります。
カラー印刷の多色刷りの場合は、凸版印刷が用いられ、「オフセット印刷」という手法が用いられています。何回も色を載せる必要があるので、紙質も強靭でなければなりません。また、インクとの相性を考え、濡れ性の特性から、上質な紙を使う必要があるのです。
これに対し、
1円切手のように、単色でシンプルな作りのものは、凹版印刷が用いられ、「グラビア印刷」という手法が用いられています。凸版は、スタンプと同じように、出っ張っている所にインクが乗り、印刷されるのに対し、凹版は、溝の部分にインクが染み込ませ、強圧をかける事で、印刷される仕組みです。大きな力が加わるので、繊維質の普通紙が適しているのです。
それぞれの用途により、切手の紙の質感が異なっていた訳です。
所で、印刷に使われるインクですが、実は、ココにも生薬成分が関係しています。
●むくげ
【生薬名】モクキンカ(木槿花)は、観賞用の植物で、夏に開花期を迎えます。朝早く花が開き始め、夕方には萎んでしまう花で、韓国の国花です。
【成分】葉には、サポニンなどのフラボノイドを含み、根皮には、タンニン、樹液には、粘液物質を含みます。
【効能】熱を清め、解毒、止痒、止瀉薬として細菌性胃腸炎、出血性の炎症性病変に用いられる。特に水虫薬として応用されることが多い
【その他】絆創膏の粘着付与剤、印刷過程で起こる紙のにじみ止め、接着剤、印刷インク、合成ゴムのつなぎ、塗料、染料、スポーツをする時の滑り止めとして用いられるロジンバックに応用されています。