最近、youtubeのチャンネルで、よく視聴する動画として、
「大胃王」こと、ぞうさんパクパク大食いチャンネルをよく見ています。
達成者0人の大食いチャレンジを標榜しているレストランに出向き、制限時間内で、本当に食べきってしまう「うP主」には、ただ驚くばかりです。総重量7kgもの、蕎麦、揚げ物を、30分以内に、ペロリと食べきってしまいました。
しかも、非常に礼儀正しい、ヤサ男と言うギャップ感が、視聴意欲をそそります。
でも、なぜ、このヒトは、太らないのだろう?と、疑問が出てきます。
実は、ココには、腸内細菌が深くかかわってくるらしいのです。
腸内細菌には、「ヤセ菌」と「デブ菌」が存在しています。この2つの菌が仲良く共存しながら、
私達が食べた飲食物による「栄養素」を、身体が必要とする「栄養」に変換してくれています。
善玉菌だけになっても、悪玉菌が増えすぎても、あまり理想的ではありません。共存し合う事が重要です。
一方、極端な食事制限をするだけのダイエットは、カロリー制限や糖質制限をしますが、身体に必要な栄養素が不足しがちで、止めた途端、一気にリバウンドを繰り返します。
【やせ菌とは?】
「やせ菌」とは、善玉菌のことです。一般的に腸内には、約1000種類、約100兆個の腸内細菌が存在しています。
その重さだけで、1.0~1.5㎏もあります。
腸内細菌の中には、実は、全でも悪でもない、風見鶏みたいなドッチつかずの「日和見菌」(ひよりみきん)と言う菌もいます。
そのバランスは、善:悪:日和見が、2:1:7の割合が理想的とされています。むしろ、「ダイバーシティ」(多様性)を持ちながら、色々な菌を併せ持つ、種類が多い事の方が重要視されています。
●善玉菌:乳酸菌は、悪玉菌の増殖を防ぎ、腸の働きを整え肥満を防ぐ。
●悪玉菌:腸内で有害物質を生み出し、肥満を助長する。特に脂質や動物性たんぱく質をエサとして増殖する傾向にあり、
悪玉菌が優位になると、便秘や下痢を繰り返し、ニキビ、吹き出物、アレルギーや癌を引き起こすことにつながります。
●日和見菌:腸内細菌の中では最も多い日和見菌は、多い方の菌に吸い付いて、善にも悪にも性質を変えていきます。
この事から、日和見菌をうまく「しつける」ことが重要になってきます。
ココで重要な点は、「やせ菌」も「デブ菌」も、日和見菌の中に存在している事です。
★「やせ菌」は『バクテロイデス属』
★「デブ菌」は『ファーミキューテス属』というグループです。
ただ、この「デブ菌」も悪い事をするだけではなく、実は、身体に元気を与え、免疫力を高め、長寿に関係していることが分かってきています。
必要以上に悪玉菌が増えてしまうと、中立派の日和見菌は、どんどん悪玉菌に加担して、より一層腸内環境を悪化させる方向に傾きます。
恐らく、フードファイターの方達は、デブ菌優位ではなく、ヤセ菌を多く抱えている事が予想されます。
つまり、ダイエットを目指すのであれば、日和見菌に属する「やせ菌」を、出来るだけ善玉の方に常に引き寄せて、
善玉菌を安定して維持していく事が重要であることが伺えます。
腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスは、食事によってコントロールすることが可能です。腸内環境を整えるためには、
最低でも3ヶ月~1年をかけて取り組む必要があります。
【善玉菌が生み出す 「短鎖脂肪酸」のダイエット効果】
善玉菌であるビフィズス菌が作る「短鎖脂肪酸」には、3つの効果が見込めます。
① 脂肪を効率よく燃焼させる
② 食欲をおさえる
③ 基礎代謝をあげる
短鎖脂肪酸は、大腸において、消化しにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内発酵で生成され、最終的に、大腸粘膜から吸収されます。
すると、脂肪は燃焼していきます。加えて、短鎖脂肪酸が多く発生すると、小腸から「インクレチン(GLP-1)」という、
食欲抑制ホルモンが発生し、大食いを防ぎます。最終的に、全身の交感神経にあるレセプターに、短鎖脂肪酸が連結して、
交感神経節が刺激を受けて、基礎代謝が上がる効果も見込めます。
【やせ菌」を増やす食事とは?】
●まず、善玉菌を多く含む発酵性食品である、乳酸菌飲料、ヨーグルト、納豆やぬか漬け、キムチなどを食べて腸内環境を整えます。
●次に重要な点は、短鎖脂肪酸の元となる、善玉菌の「エサ」を積極的に食べます。
善玉菌のエサは、ハチミツ、タマネギ、果物に含まれる「オリゴ糖」や「食物繊維」です。特に食物繊維に関しては、
「水溶性食物繊維」を摂取する事が重要です。水溶性食物繊維には、りんご、イチゴなどの果物、昆布、わかめなどの海藻類、
オクラや長芋、モロヘイヤなどのネバネバ食品に多く含まれます。
しかしながら、そんな面倒くさい事をしなくても、もっと簡単に腸内環境を整える事は出来ないものか?と言う取り組みに
チャレンジした研究があります。
アイルランドのユニヴァーシティ・カレッジ・コークの教授の研究で、科学学術誌『Nature Aging』で発表された論文では、ナント、
若いマウスの便に含まれる腸内微生物叢を、老いたマウスの腸内に植え付けた所、脳の認知機能や免疫機能が若返ったという報告がなされました。
同教授は、この取り組みを、「マイクロバイオーム」と命名しています。
もし、ヒトにおいても、若い健康な人の大便を、アレルギー疾患の方の腸内に移植したら、どうなるのだろう?と、
想像は膨らんでいきます。
この大便と健康の相関は、インドの古典医学の「アーユルヴェーダ」には、「パンチャカルマ法」と言う、
身体の浄化法で解説されています。
「身体に溜め込んだ毒素は、ジワジワと染み出して、やがて、弱ったところから病気になって発症していく」
病気の始まりについて、アーユルヴェーダではこう考えます。
つまり大切なことは毒素を「溜め込まない」ということ。
そんなとき、アーユルヴェーダでは「パンチャカルマ」という究極のデトックス法があるのです。
数千年も前から伝承されてきた、身体の浄化法です。
その目的は、とにかく体内に溜まっている邪毒を、1回全部出し切る事に主眼があります。
①ハーブ薬を飲んで吐く…嘔吐法(ヴァマナ)
②ハーブ薬を飲んで下痢で出す…下剤法(ヴィレーチャナ)
③ハーブ薬を浣腸して強制的に排泄する…浣腸法(ヴァスティ)
④鼻にハーブ薬を入れて口から排出する…点鼻法(ナスヤ)
⑤皮膚から血液を排出する…瀉血法(ラクタモクシャ)
身体に害を与えている溜め込んだものは、対症療法でごまかさず、1回は、身体から排出させる方法です。
施術中は負担が大きいですが、施術後は、リセットさせるので、身体が軽くなり、思考や視界も、クリアになるようです。
ただ、この処方だと出すだけで、その後の腸内環境の回復に関しては、考慮されていませんでした。もしかしたら、出し切った後、
若い健康な方の大便を注入して植え付ければ、より早く健康体に近づく事が出来るのかもしれません。