瞑想と東洋医学

 

私は就寝前のひと時、ビジネスの事、出版の事などのアイデアを熟考する時があります。身体は休んでいるのに、脳は虚ろながら覚醒している訳です。

 

俗にいう『瞑想』状態です。

 

この時の脳は、突拍子もない事を考えだしたりして、その殆どは使い物にならないアイデアなのですが、時として、超絶に素晴らしいアイデアを考えだす時があります。

 

医学の分野では、ケクレと言う科学者が、就寝中の夢の中で、亀の甲構造を思いつき、ベンゼン環の仕組みにたどり着いた逸話は有名です。近年でも、世界的に有名になった起業家の、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、その他、政治家やアスリートなども、「マインドフルネス・メディテーション」を生活に取り入れて、ビジネスに活用しています。

 

 

それでは、瞑想とは、東洋医学的に見た場合、どの様に定義したらよいのでしょうか?

 

漢方では、「気」「血」「水」の過不足と流れを重視するので、そのバランスを整える呼吸法と潜在意識に持っていくためのトレーニングなのではないか?と推察します。

 

もっと深読みすれば、意識を統括する「五感」を外部世界から遮断して、自らの内面に目を向けて、マインド(頭)とハート(心)が、調和が取れた状態で、安静に鎮静化していく流れを、「会得」する事…と解釈します。

 

ここで、一つ疑問点が出てきます。

 

たとえ、目を閉じてリラックス状態であっても、色々な雑念が湧いてきて『空』の意識に入り込めない時は、どう対応したら良いのでしょう? 

 

私は、そのまま、放置で良いと考えています。

重要なのは、「あぁ、おれは精神が集中できていないで、瞑想状態に入れていないんだな…」と言う思考を、ぼんやりと考えていれば良いのではないか?と考えています。

 

いわゆる「俯瞰」というやつです。

 

私達は、社会生活をするうえで、頭で思考し、心が呼応し、身体が反応して行動を起こしています。

 

その時、脳は常にフル稼働状態にあります。過去に経験した失敗や、心の傷などが邪魔をして、いきなり精神は安静状態にはなってはくれません。まずは、空っぽにする必要があるのです。

 

この集中できない精神状態を表す言葉に『モンキーマインド』があります。

 

【モンキーマインドとは?】

動物園に行って、サル山を見たことがあるだろうか?多くの猿たちが、騒がしくキャッキャッと吠えたり、唸ったり、その声は、一日中、絶える事がありません。このサルの声が、「雑念」に相当します。渋谷のスクランブル交差点の雑踏とイメージすれば分かりやすいかもしれません。あらゆる思考が交錯しています。

 

実は、脳と言う臓器は、こうした雑念を思考する事により、非常に多くのエネルギーを消費しています。モンキーマインドから脱する事が出来れば、脳の活動は、安静を得て、本来のポテンシャルを発揮できるようになります。

まず、深い瞑想状態に入るには、モンキーマインドに支配された頭の中を、空っぽの状態にしなければなりません。そうする事により、作業領域が増えて、集中力、判断力、読解力、文章力、計算力が向上するばかりか、発想力、創造力も養われて行きます。

 

もう少しわかりやすく考えると、例えば、

 

ヒトが、停留所でバスを待っていると考えてみましょう。待っている間も、今晩の献立、明日の仕事の約束、子供の受験対策など、さまざまな雑念が交錯し、

「早くバスが来ないかなぁ…」と思いを巡らしています。

 

 

 

そこに、ようやくバスがやってきました。でも、ようやく来たバスの中は、他の乗客で、ギュウギュウ詰めの満員状態です。

ここでは、バスが、脳みそ、乗客が余分な思考に相当し、不快になる位の満員状態の乗客が、モンキーマインドです。

少しの間我慢すれば、サルノイズを乗せたバスは、発車してしまいます。ここで、ついうっかりバスに乗ってしまう行為が、

スマホの連続使用になります。 

 

 

ここで重要な点は、乗客であるサルノイズ(余計な思考)に興味を持たない事です。ついスマホを取って、検索して調べてみたり、他人のレビューを見てしまったり、誰かの評価を気にしてしまってはいけません。

 

どんどん、瞑想状態に入り込めない、脳思考に傾いていきます。

 

バスには乗らず、スマホに手を伸ばすことなく、常に傍観者であり続けることが重要です。

私達の思考は、あたかもサルノイズで考える思考を…自分自身(自我)だと思いがちです。

 

自分の現在の立ち位置である停留所のフィールドと、バスを同一視しないで、自分と言う「自我」と「雑念」を、完全に別の物…と捉えることが、非常に重要です。

 

スマホが手にあれば、検索サーチ、チャット、SNSからの情報の流入など、次から次に、満員バスがやってきます。でも、どんなにバスが入れ替わり立ち代わり、私達の前に停車して、乗車を勧めようとも、停留所に居続ける事が重要です。

もっと言うと、

「考えている自分」と

「考えていること」が、同一であると思わない事です。

 

実は、この両者は、区別して、切り離す事が出来るのです。

「心に空きスペース」を作ると、ドンドン、ポジティブ思考がやってきます。

どんな不安・恐れの思考も、アナタにとって、一時、脳を訪ねてくる客人でる事を自覚します。永久に頭の中に住み着く訳ではない事を理解する点が重要です。

 

このモンキーマインドを取り除いてから、瞑想状態に入ると、格段に潜在意識が覚醒してきます。

 

そして、モンキーマインドに取りつかれると、私たちの脳は疲弊し、脳内に活性酸素が生み出されていきます。特に、活性酸素は、脂肪組織に沈着しやすいので、脳は、格好の標的になりますいのです。私たちの体は、この活性酸素を中和する、抗酸化物質を生み出し、常に、脳の中をクリーンな状態にリセットしてくれていますが、そのお掃除が追い付かなくなると、脳疲労が起きてきます。

やがて、その疲れにより自律神経は不調になり、肌のターンオーバーは滞り、肌への栄養は滋養されなくなり、やがて顔の、シワ・たるみ・シミ・くすみ・肌荒れなど老け顔につながっていきます。

 

対処法は、充分な睡眠と、スマホの連続使用をやめる事にあります。