Spin launchで宇宙へゴー 自由で柔軟な発想するための漢方薬

 

まずは、この動画を見て欲しい。

 

 

スピンローンチと言う手法で、ロケットを宇宙まで打ち上げるプロジェクトの動画です。

 

ニュートン力学の基礎にのっとって、遠心力によってロケットをぶん回して、天まで届く推力を得ています。簡単に表現すれば、「クルクルポン・ロケット発射台」と言う訳です。

 

恐らく、従来のロケットに比べたら、初期コストは大幅に削減できるはずです。成功した時のメンバーの喜び具合を見ても、その興奮が伝わってきそうです。

 

「この手があったか!」

 

と言うくらい、柔軟な発想です。恐らく、初期の段階で、どうやったら、安く宇宙まで射出できるか?を、皆で考えた時に、色々なアイデアが出た中で、この手法が採用されたのでしょう。

 

「そんな事やって、だーれが責任を取るんだ」

 

と言うフィールドからは発想が及ばない、かなりぶっ飛んだ提案であったはずです。それを、大の大人が、真剣に作り上げてしまう、アメリカ社会の懐の深さを、感じずにはいられません。

 

この、「柔軟な発想」

 

は、どうしたら出てくるのでしょうか?

それは、脳のストレスを軽減する事です。実は、漢方処方でも、体質別に「脳疲労」を軽くする処方があります。今回は、ストレス社会に生きる現代人において、脳疲労を軽くする、幾つかの処方を考えてみましょう。

 

ヒトの身体は、ストレスを受けることで、色々な身体の変化を受けます。

イライラ・気分の落ち込み・不眠・易疲労・免疫力低下などの症状が出てきます。さらに進行すると、頭痛・眩暈・動悸・食欲不振・そううつなどを伴うようになってきます。

 

こうした変化は、自律神経の働きの乱れが原因だと考えられています。

 

自律神経は、上にあげる交感神経と、下にさげる副交感神経の2つから成り立っており、両者が協調する事で、身体の状態のバランスを取りながら、体温・心拍・発汗など、自分ではコントロールが難しい身体の営みを、平衡に保ってくれています。

 

【東洋医学におけるストレス】

漢方では、生命活動を支える「機能」と「物質」を、「陽」(よう)と「陰」(いん)に分けて考えます。陰陽のバランスが崩れると、精神症状と身体症状に、不調和が起きると解釈しています。

 

「陽」は、精神・身体を活動的にはたらくようにし、「陰」は、その活動が行き過ぎないようにはたらきかけます。漢方薬はストレスなどの影響によって乱れた「陽」と「陰」のバランスを整えることで、メンタル面の諸症状に対処していきます。

 

ここでは体質別に、脳ストレスを緩和する処方を考えてみましょう。

 

①不安・過緊張を和らげる、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

 

●チェックポイント

緊張していることが多い、少しの事で驚く、人前に出ると上がってしまう、常に不安感を伴う、動悸がする、不眠である

 

こうした傾向の時は、ストレスによって、気の流れが悪くなり、上気して頭に血が上った状態になり、心肝火旺(しんかんかおう)体質に傾いています。

 

私は、鍼灸の夜間専門学校に通っていた3年間、この漢方のおかげで、乗り切ることが出来ました。肋骨の下端が、パンパンに張る、胸脇苦満を目標にしていきます。

 

②元気が足りなくて、クヨクヨ考えてしまうストレスには、加味帰脾湯(かみきひとう)

 

●チェックポイント

胃腸が弱い、いつも疲れている、熟睡感がない、頻繁に悪夢を見る、ため息をよくつく、少しの事でクヨクヨ考えてしまう、常にネガティブ思考である。

 

こうした傾向の時は、胃腸の働きが悪く、気が満たされない事から、「心」にも栄養が回ってこないで、思考が上手く働きません。心脾両虚(しんぴりょうきょ)体質に傾いています。

 

鑑別点は、血色が悪い、常に貧血気味、不眠、寝汗などを目標にします。

 

③胃がムカムカしたモヤモヤ感には、竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)

 

●チェックポイント

胃がもたれる、口が苦い、性格も粘着質で決断力がない、ネチネチと愚痴を言ってしまう、関節が重だるい。

 

漢方では、身体の中に、ネバネバした「痰湿」と言う病理産物がたまった事により、気の流れも滞り、鬱屈した感じになってしまうイメージです。痰熱上擾(たんねつじょうじょう)体質に該当します

 

身体の随所が粘ついて来るので、口の粘着き、汗・女性の生理・関節などにも粘着きが出てきます。

 

④血圧上昇型のストレスには、抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)

 

●チェックポイント

すぐにイライラする、カッとなりやすい、いつも興奮している、頭がフラフラする、手足が震える、赤目、赤ら顔

 

漢方では肝陽化風(かんようかふう)体質と考えます。

 

風が吹く春先は、気も乱されます。この「風」は、中風発作にもつながります。季節の変わり目に、突然死しやすいのもこのタイプです。

 

⑤鬱タイプのストレスには、加味逍遙散(かみしょうようさん)

 

●チェックポイント

女性の方で、生理前症候群が強い、生理不順、突然の汗(ホットフラッシュ)、うつうつとしてやる気が出ない、イライラする、更年期障害、冷え性

 

漢方では肝鬱血虚(かんうつけっきょ)体質と考えます

 

中年になったら、多くの女性の方に試してもらいたい名処方です。

 

⑥のどに不快感があって、スッキリしないストレスには、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

 

●チェックポイント

常に喉がつかえた感じがする、喉に引っ掛かりを感じ、ガンになったかもしれないと不安になる、喉に圧迫を感じ、実際にのみ込みにくい時のある、ゆううつ感、胃の膨満感、

 

漢方では痰気鬱結(たんきうっけつ)体質タイプと考え、喉の詰まりは「梅核気」(ばいかくき)です。

 

胃もたれ感があるので、胃気が上逆して、逆流性食道炎、嘔吐感も伴います。時に、胃の中がチャポチャポしたり、長く胃の中に内容物が残ったりします。

 

新年の4月は、環境が変わった事により、5月病を招きやすいです。漢方薬をうまく使って、乗り越えていきましょう。