「あまびえ」伝説とウルトラマン

 

幼少期より特撮マニアとして生きてきました。シン・ゴジラに引き続き、庵野秀明原案・樋口真嗣監督作品として、「シン・ウルトラマン」を見てきました。

 

名人芸の様なミニチュア造型や、ピアノ線を用いた戦闘機の操安技術、必殺技の光学合成などは無くなってしまい、もっぱら、CG技術による画像表現ではありましたが、それでも、原作へのリスペクトは充分感じられ、随所で、「ニヤリ」とする演出も散見され、充分、楽しめる作品に仕上がっていました。

 

怪獣は異形の存在として描かれています。

作中で、「怪獣は、何故かこの国にしか出現しないんだ…」と言うシーンが出てきますが、終劇になるまで、その答えは用意されていませんでした。

 

恐らく、わが国には、古来より、妖怪伝説があり、それが怪獣のベースとなったのでしょう。

 

例えば、川に住む河童は、子供たちに、川遊びをすると溺れてしまうので、「近づいちゃダメ」と言う戒めの為に、畏敬の存在として流布され、伝承されて行きました。

 

その中で、「あまびえ」と言う妖怪があり、生薬とも関係してくるので、触れておきましょう。

 

あまびえは、1846年に肥後地方に出現したとされる伝説上の妖怪です。疫病封じ、悪霊退散のご利益があります。海中から光を放つ現象を見せて、豊作や無病息災につながる予言を、町民にもたらした言い伝えがあります。

 

 

後年になって、このあまびえ伝説は、ご利益が見込める「お札」となり、現在では、お線香のラベルに重用されています。

 

実は、このお線香にも、生薬の成分が多く用いられています。

●陳皮(ちんぴ):何度も登場した、温州ミカンの皮を乾燥させ、フレーク状にした生薬です。

●白檀(びゃくだん):ビャクダン科の常緑小高木の心材。非常に良い香りを有します。

●乳香(にゅうこう):常緑小高木で、枝を真横に伸長させます。乾燥地帯に自生し、樹液を採取したあと固まった芳香性ゴム樹脂を生薬として用います。強い殺菌作用があります。

●沈香(じんこう):ジンチョウゲ科のジンコウの樹脂が沈着した部分で、気分の鎮静作用があります。

 

こうした生薬を用いたお線香は、アロマ成分として、芳香性のある臭気として人体に吸収され、抗菌・殺菌薬として用いられてきました。

 

この後に続く、「シン・仮面ライダー」への伏線も感じられ、なぜ、変身をするのか?についての最終回答が用意されているようで、楽しみでもあります。もうこうなったら、シン・宇宙戦艦ヤマト、シン・キューティーハニー、シン・ナウシカ、シン・アトムなど、全ての作品を、庵野色に染めてもらいたいです。