ヒトデMAXと生薬

 

ケーブルテレテレビの通販場組で、「オッ」と、目に留まる商品を見つけたので、今回注目してみました。ローカルテレビの通販番組は、非常にマニアックなものが多く、民放の通販番組より面白い商品を扱っています。

ヒトデMAXと言う商品です。

 

 

ヒトデは、日本沿岸のどこにでも生息しており、ウニやナマコと同じ「棘皮動物」に属します。ホタテ貝を捕食するので、ホタテ漁の網の中に、大量に取り込まれ、漁師さんの間では、邪魔者、厄介者扱いでした。また、食用にもならず、今までは、特に有効活用できる利用法も無く、廃棄されていました。

 

 

しかし近年、水産加工業者と大学の研究機関が協力して、ヒトデに含有する成分(サポニン、ステロイド、アルカロイド、リン脂質等)の中で、特に、ヒトデサポニン類には、動物に対して、忌避効果がある事が分かり、商品化に結び付きました。

 

ネットで調べたら、「ヒトデ浪漫」「ヒトデバイバイ」「ヒトデdeでんでん」など、類似商品がある事から、一定の購買が見込める、売れ線商品なのでしょう。

 

早速購入したところ、届いた商品を受け取った瞬間、まだ未開封の状態なのに、既に、「プーン」と、独特なニオイが伝わってきました。よく言えば、「鰹節」のような、お醤油と魚の臓物臭が合体したような、あるいは、子供の頃、金魚を飼っていた時に、エサとして与えていた、「ミジンコパウダー」の様なニオイがします。

 

この臭気は、ある意味、口臭にも近いニオイです。

 

口臭治療をしていると、生臭い・どぶ河川のニオイがする方がいます。この商品の説明書を見ると、水に戻した、「上ずみ液」を土中に巻いても効果がある…という事なので、もしかしたら、口臭患者さんに、この液でうがいをしてもらうと、一定の効果があるかもしれない…と、想像してみたりもします。臭いをニオイで撃退する訳です。

 

このヒトデMAXの応用範囲は広いです。なんと、虫にも動物にも効果があるらしいのです。確かに、ヒトが嗅いでも、心地よいニオイではありません。しかも、自然環境には悪影響を与えないので、安心して使用できる所が利点です。

 

【害獣】

シカ、イノシシ、クマ、サル、ハクビシン、アライグマ、イタチ、キツネ、タヌキ、ネズミ、カラス、ハト、ムクドリなど

【害虫】

ナメクジ、ムカデ、ダニ、カメムシ、ヤブ蚊、アブラムシなど、なんでもござれです。

主成分であるヒトデサポニンは、構造が複雑で、実際の効果はわかっているのですが、薬理効果は定かではありません。

 

●そう言えば、私の子供の頃は、まだ汲み取り便所(ボットン便所)が、どこの家庭にもあり、乾燥したヒトデを、そのまま放り込んでおくと、ウジが湧かない…と言う教えがありました。

●また、ヒトデを堆肥にして肥料として用いると、野菜の生育が良いなども、経験上分かっていました。

●紫外線に反応し、人間の目には見えない波長の光を出すことで鳥類にも恐怖を与えます。

●その他の研究では、ヒトの癌細胞破壊効果、ヒト免疫力活性、コレステロール低下、抗ウイルス作用、抗カビ効果、殺菌作用も報告され始めています。

 

なぜ、こうした広範囲の効果があるか?と言うと、ヒトデサポニンに加え、生理活性を促す多くの成分や、多孔質な石灰質性骨板(脱臭作用)、多くのミネラル成分があるからと、考えられています。

 

そして実は、ヒトデは、動物性生薬:「海星」として、古来より重用されていました。海星のヒトデエキスには、ガングリオシド、ステロイドサポニン、タウリン、EPA、DHAなどが豊富に含まれ、その中でも特にガングリオシドは、抹消血流改善、神経栄養因子補充作用があり、中国では、神経機能回復に用いられていました。

 

ヒトデは、繁殖力旺盛で、一部が損傷しても、すぐ修復してしまう程、組織回復作用もあるので、生命素である「気」が満ちているのかもじれません。

 

中城歯科医院の裏には、更地になった土地があり、毎年、春から夏にかけて、昆虫の発生と、鳥獣の糞被害があり、非常に困っていたところだったので、本剤を撒いてみて、虫被害を食い止める事が出来れば、常用したいと考えています。