粉々になったコンビニ袋

 

先月、家の中のゴミを断捨離した事をお伝えしました。その中で、殆ど手つかずだった奥の方から、20年ぶりにコンビニ袋が出てきました。

 

 

ところが、外観では袋の状態を保っていましたが、手に触れた途端、角砂糖のように、ボロボロ・グズグズ・粉々になりました。

 

一部は、細かいパウダー状に粉砕したので、瞬間的に「これは、吸い込んだらヤバい奴だ」と直感し、その場から逃げ出しました。恐らく、掃除機で吸っても、排気の部分から、「ヤバい奴」は部屋中に拡散されるので、安全な処分法を考えなくてはなりません。

 

全く持って初めての経験だったので、処理の仕方で途方にくれました。とにかく外力が加わると、物体の連結している鎖が外れたように、どんどんバラバラになってしまうので、非常にたちが悪いです。

 

思案の末、濡れタオルを上から被せ、ビニールを閉じ込め、そのまま、そっとタオルの中に納まるようにかき集めて封じ込め、そのまま包み込んで、タオルごと大きなビニール袋に入れて、ごみ箱に捨てました。

 

そこまで放置してしまった、私が悪いのです。

 

ビニールの劣化は、例え室内でも「紫外線」が関係しています。一般的に、レジ袋はポリエチレン製です。その中でも、引っ張り強度に強い、高密度ポリエチレンというものが使われています。室内保管であっても、長時間、酸素・温度変化も影響を受けて、最終的に、ポリエチレンが劣化して、分子構造の鎖が切れて粉々になってしまったのでした。

 

【紫外線と漢方】

紫外線は、人体にとっても厄介な存在です。特に、真夏の屋外で活動をすると、たくさん紫外線を浴びて日焼けを生じてしまいます。

すると、身体には余剰な熱がこもる事になります。皮膚も紫外線障害として、赤くなったり、ひどい時には、火ぶくれのようになったりします。

 

日焼けの養生法の第一段階は、まずは、身体表面をクールダウンする事が必要です。実は、生薬の中には、身体を冷やす効果のあるものが存在しているので、上手く使うと、重症化しないで済みます。

 

生薬の中で、身体を冷やすものは、

●鉱物系生薬:石膏(せっこう)

●ユリ科の生薬:知母(ちも)

●内臓の熱も冷やす:黄連(おうれん)、黄芩(おうごん)、黄柏(おうばく)

●血流の改善を受け持つ:地黄(じおう)などがあります。

 

こうした生薬が配合された漢方薬として、

●石膏を含む『白虎加人参湯』(びゃっこかにんじんとう)

●黄連、黄芩、黄柏と、清熱作用を有する山梔子(さんしし)を加えた『黄連解毒湯』(おうれんげどくとう)

●地黄と黄芩、皮膚の炎症に有効な苦参(くじん)を加味した『三物黄芩湯』(さんもつおうごんとう)などを用います。

 

また、身体の中に蓄積された熱は、排便する事によって排出できるので、通便を促す大黄(だいおう)を、隠し味で加味すると、なお効果的です。

 

●日焼けして、浮腫んでいる場合は、水毒をさばく、『越婢加朮湯』(えっぴかじゅつとう)と、『五苓散』(ごれいさん)を併用する事もあります。

 

●その他、日焼けが慢性炎症に移行した時には、生薬の抗生物資として、生薬の柴胡(さいこ)を含有する『小柴胡湯加桔梗石膏』(しょうさいことうかききょうせっこう)が推奨されます。

 

紫外線による人体への影響は、身体の中に活性酸素を生み出し、細胞や組織に悪影響を及ぼします。広義の意味で、ボロボロになったビニール袋と同じことが起きている訳です。

 

賢い養生法で、厳しい夏を乗り切りたいですね。