10年待った。「日常」、再始動!

 

まずは、こちらの動画を見て欲しい。

 

 

私が大好きな、アニメ「日常」の原作者、あらゐけいいち先生のYouTubeチャンネルで、先生自身がアップしたショートアニメです。

 

タイトルは、「絵描き歌」です。

 

一般的に絵描き歌と言ったら、「へのへのもへじ」のように、丸書いてチョン…と書いて、

「あっという間に、可愛いコックさん~」と出来上がる数え歌です。

 

 

初めてこの動画を見た時、動画の真意が分かりませんでした。

でも、中毒性のある歌声と、ほのぼのとした、あらゐけいいち先生の絵柄と、随所に散りばめられた「小ネタ」を探すのが楽しくて、何回も繰り返してみてしまいます。

 

すると、この動画の本当の意味する所が解ってきました。

この絵描き歌は、丸書いてチョンで、キャラクターの絵を描く事ではなくて、

「絵描き」を本職とする方への応援歌であった事が分かってきます。

 

もっと言えば、全てのクリエーターの抱える苦労、産みの苦しみを代弁した賛歌でもあるのです。私も出版原稿を執筆していますが、良いアイデアが出てきたら、とりあえず書きなぐり、気に入らない文章は、何回も何回も書き直し、より良い物へブラッシュアップしていく作業を、日々、繰り返しています。

 

この動画を見ると、あらゐけいいち先生の創作の苦労が伺え、「わかるわぁ~」と言う思いに至ります。動画の中で、氏は、私を突き動かすその術は、

「みんなの笑顔、それだけさ」と結びます。

さらに、創作に行き詰まると、「どこか遠くへ行きたいな」とつづり、でも後半では、「どこに行っても、作品のアイデアを考えてしまう」と結んでいます。

 

本当に涙が出てきます。

あの作品が出来上がる迄には、こんなに苦労をしていたんだ…と言う事が分かります。

 

あらゐけいいち先生の代表作は、シュールなギャグアニメ「日常」です。

以前、「還暦前のオヤジが「萌え」にハマる…萌え~こそが、脳を活性化すると言う話」と言うブログでも紹介しました。

https://www.nakajomotoo.com/nichijo-20181229-3/

 

その後、京都アニメーション(京アニ)で、テレビアニメ化されました。全26話が作成され、約10年前に放送が終わりました。アニメーターの「作品愛」が感じられるクオリティに仕上がっています。

しかしながら、アニメの成功・不成功は、スポンサー目線で考えると、放送後のDVDの販売数の収益で評価されがちです。残念ながら、アニメ日常は、あまり沢山売れる事は無く、スポンサーからは失敗作との烙印を押されてしまいました。

 

ただ、一部で、熱狂的なファンがいる事も確かです。

 

そして、近年、色々な言語に翻訳され、海外のオタクさん達から再評価を受けて、日常熱が再び盛り上がってきました。

 

日本のアニメと言えば、ドラゴンボールやエヴァンゲリオン、キャプテン翼などが有名ですが、とうとう「日常」まで評価されるようになりました。YouTubeのコメントを見ると、海外の方達は、

「adorable」と書き込みをしています。

この意味は、「愛らしい」です。海外の方も、この作品に宿る「萌え」要素が分かるのです。

 

そして、そしてです。

 

こうした再評価を受けて、あらゐけいいち先生は、原作の続きを再開しました。

ファンにとっては、「待ってました!」と言う再連載です。

ちょうど連載1年が経過したので、コミックス11巻が発売されることとなり、記念イベントとして、なんと、新年に「サイン会」が催される事になりました。

 

さっそく、アニメイトに出向いて、エントリー終了です。結果は、12月初旬に抽選結果が発表になります。何とか、当選する事を願って、毎日、神様に祈りを捧げています。

 

そして、こうしたファンの熱量が、KADOKAWAやスポンサーに届けば、アニメの第2シーズンも企画されるでしょう。ただ、京アニが放火事件で、若い有能なアニメーターがお亡くなりになってしまい、当時の資料も消失してしまいました。

 

アニメ界にとっては、本当に大きな損失です。

それでも何とか、再アニメ化されることを願ってやまないです。