タウリンと東洋医学

 

タウリンはアミノ酸の一種です。

魚介類に含まれ、特にカキ・サザエの貝類や、イカ・タコ、魚の血合いに多く含まれます。

 

 

また、人体には体重の約0.1%程度。タウリンが存在し、主に食事から摂取されますが、一部は体内でも合成されています。

面白いのは、一般的なアミノ酸は、結合してタンパク質になりますが、タウリンは、タンパク質の合成に利用されずに、人体では遊離した状態で存在するのが最大の特徴です。

その中でも、高濃度で含有する臓器は、脳と心臓です。また、貯蔵量だけで見ると、骨格筋が最も多く、その他、目の網膜や肝臓にも多いです。

 

加えて、母乳にも多く含有し、新生児の成長に欠かせません。

近年の研究で、この「タウリン」を中年期の動物に、毎日摂取させると寿命が延び、認知機能の定価も予防され、骨量など健康度を示す数値が改善された、と米コロンビア大学などの国際研究グループが報告をしました。

医薬品や健康ドリンクなど、医薬部外品に配合されているタウリンは、化学合成されたものです。その他、医療用医薬品で処方される場合は、肝機能改善やうっ血性心不全の治療薬にも応用されています。

以上の事から、タウリンは生体の機能全般を、健常に維持するために必須の成分になります。

その働きは、

 

【浸透圧調整作用】

細胞内の浸透圧を調整して細胞の機能を維持する働きがあり、全身の臓器を元気にします。

 

【肝機能を高める作用】

胆汁酸の分泌を促進させます。胆汁酸は脂質やタンパク質、ビタミンの栄養素を分解して、腸の吸収効率を補助します。総じて、代謝が活発になるので、身体に元気を与え、疲労回復に役立ちます。

 

【コレステロール値を引き下げる作用】

同様に、肝臓での悪玉LDLコレステロールの取り込みを促進し、血中のコレステロールを低下させます。

 

【血圧を安定させる作用】

ストレス・過緊張などで交感神経が優位になると、血管の収縮を招き、血圧が上昇します。タウリンは、血管の緊張を和らげ、食事由来の高血圧を予防・改善します。最終的に、高血圧に起こる動脈硬化、脳卒中、心疾患の改善にもつながります。

その他、心臓の働きを鼓舞し、眼精疲労も予防するので、積極的に摂取したい栄養素です。

タウリンには、摂取基準の上限値は特に設けていないので、いくら食べても健康被害は出ないはずです。ただ、余剰分は、身体から排出されてしまうので、毎日、程々の量で充分です。

 

●実は生薬にも存在するタウリン

漢方でも使われる生薬に「ゴオウ(牛黄)」があります。

 

 

これは、牛の胆のうに溜まった「結石」で出来ています。純度の高い物は、金色の薬包紙に包まれており、1錠:数万円の物もあります。この中に、大量にタウリンが含まれているのです。精神鎮静、鎮痙、強心、解熱に効果があります。二日酔いや海外旅行の時差ボケなどに効果があります。何故か分かりませんが、気分がシャキーンとしてきます。このゴオウの成分にもタウリンが含まれているのです。

 

我が家では、海外旅行の必需品です。